1998 Fiscal Year Annual Research Report
器官形成に関与するラミニン機能ドメインのスクリーニングとそれらの機能の研究
Project/Area Number |
10670028
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
門谷 裕一 北里大学, 医学部, 助手 (10185887)
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Keywords | ラミニン / ラミニンα5鎖 / 形態形成 / ラミニン-5 / 合成ペプチド / 顎下腺 / 基底膜 / 発生 |
Research Abstract |
平成10年度研究計画に基づき唾液腺原基器官培養系を用い、ラミニン1由来機能ペプチド配列のスクリーニングをおこなった。共同研究者の野水・山田(NIDR,NIH)らにより明らかにされたラミニン1のアミノ酸配列に由来する機能ペプチドのうち、未調査のドメイン(主にα1鎖N末の球状ドメイン)より由来する活性ぺプチドのうちの11種を、唾液腺器官培養系に添加し、同様にin vitro器官形成に及ぼす効果をみた。この11種のペプチドには器官発生に何らかの効果を及ぼすものは認められなかった。現在、未解析のペプチドについての調査を遂行中である。 これらの研究と平行して、発生期唾液腺では未調査であったラミニンアイソフォーム、ラミニン-5及びラミニンα5鎖、の発現様式を特異抗体を用いて免疫組織化学的に調査した。ラミニン-5は、従来の知見から予測された筋上皮細胞のみにとどまらず、導管上皮基底膜でも器官形成の初期から発現し始めることが判明した。ラミニンα5鎖は胎生13日原基の未分化上皮集塊の基底膜に一様に分布したが、腺管構造形成が完了すると主に導管部の基底膜に局在した。これらより、胎生初期の未分化上皮基底膜ではα1鎖とα5鎖が、腺房組織が分化するとその基底膜にはα2鎖が、導管基底膜にはα3鎖ととα5鎖が主に発現すると大まかにまとめることができた。この知見は、次年度以降に予定するラミニン機能ドメインの作用のアイソフォーム特異性の検討時に極めて有用な基礎データと言える。
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[Publications] Yukio Hosokawa: "A Significant role of laminin-1 in branching morphogenesis of mouse Submandibular epithelium cultured in basement membrane matrix" Development,Growth,and Differentiation. (発表予定).