1998 Fiscal Year Annual Research Report
旋毛虫感染防御反応の研究:Th2応答増強因子としてのIL-3の新たな役割
Project/Area Number |
10670230
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
是永 正敬 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00128274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 義久 高知医科大学, 医学部, 教授 (10037385)
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Keywords | 旋毛虫 / マウス / インターロイキン3 / インターロイキン4 / インターフェロン・ガンマ / ヘルパーT細胞 / 感染防御免疫 / 寄生線虫 |
Research Abstract |
旋毛虫感染にともなって、IgE産生や好酸球増多などTh2タイプの応答がひきおこされる。IL-3は血球幹細胞に作用し、顆粒球コロニー刺激因子として働いたり、マスト細胞の分化、増殖因子としても知られているが、寄生虫感染におけるTh2応答にIL-3がどのように関わっているのかはこれまでのところ明らかになっていなかった。 私たちは、rIL-3で前処置したマウスに旋毛虫を感染させると、防御免疫の発動が早くなるとともに(Korenaga et al.,Parasitol.Res.1996)、著明にIgE,IgG1産生は促進されるがIgG2a産生は促進されないという現象を見いだした(Korenaga et al.,Immunology 1996)。このことは、旋毛虫感染マウスにおいて、IL-3がTh2応答の増強因子として作用していることを示唆している。そこで、旋毛虫感染後、rIL-3処理マウスまたは無処理マウス脾細胞を単離し、幼虫抗原や固相化抗CD3単クローン抗体刺激下で培養し、その培養上清中のサイトカインをサンドイッチELISA法により測定した。その結果、rIL-3投与量依存的にIL-4産生の増加が認められた。一方、IFN-gammaの産生は顕著な変化はなかった。 rIL-3処理マウスでは対照群に比べ、IL-4産生が促進していた。また、ELISPOT assayによってもIL-4産生細胞数の増加が認められた。次に、脾細胞を種々の単クローン抗体とマグネットビーズにより分画し、それぞれのIL-4産生能を抗CD3刺激下で調べた。その結果、CD4陽性T細胞が主な産生細胞であることが示された。このことは、抗CD4単クローン抗体処理されたマウス脾細胞でIL-4産生が阻害されたことからも支持された。
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Research Products
(1 results)