1999 Fiscal Year Annual Research Report
旋毛虫感染防御反応の研究:Th2応答増強因子としてのIL-3の新たな役割
Project/Area Number |
10670230
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
是永 正敬 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00128274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 義久 高知医科大学, 医学部, 教授 (10037385)
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Keywords | 旋毛虫 / alyマウス / インターロイキン3 / インターロイキン4 / インターフェロン・ガンマ / Th応答 / IgG1 / パイエル板 |
Research Abstract |
旋毛虫感染にともなって、IgE産生や好酸球増多などTh2タイプの応答がひきおこされる。IL-3は血球幹細胞に作用し、顆粒球コロニー刺激因子として働いたり、マスト細胞の分化、増殖因子としても知られているが、寄生虫感染におけるTh2応答にIL-3がどのように関わっているのかはこれまでのところ明らかになっていなかった。 私たちは、rIL-3で前処置したマウスに旋毛虫を感染させると、防御免疫の発動が早くなるとともに、著明にIgE,IgG1産生は促進されるがIgG2a産生は促進されないという現象を見いだした。このことは、旋毛虫感染マウスにおいて、IL-3がTh2応答の増強因子として作用していることを示唆している。そこで、旋毛虫感染後、rIL-3処理マウスまたは無処理マウス脾細胞を単離し、幼虫抗原や固相化抗CD3単クローン抗体刺激下で培養し、その培養上清中のサイトカインをELlSA法により測定した。その結果、rIL-3投与量依存的にIL-4産生の増加が認められた。一方、IFN-gammaの産生は顕著な変化はなかった。さらに、二次リンパ組織であるリンパ節やパイエル板がIL-3のTh2応答増強作用に関与しているかどうかを確かめるために、全身のリンパ節と腸管のパイエル板が欠損しているalyマウスを用いてTh2応答を調べた。その結果、alyマウスでは成虫の排除が遅れ、抗体産生も低いことがわかった。IgG2aの産生はへテロの1/3程度であったが、IgG1は殆ど検出限界に近い値であった。脾細胞を抗CD3刺激し、その培養上清中のIL-4を調べたところ、IL-3処理したalyマウスでもIL-4産生の亢進がみられず、Th2タイプの応答が欠如していた。一方、IFN-gammaの産生は対照群と同程度であった。このことから、Th2応答の誘導にはリンパ節またはパイエル板が必要な要素であることが示唆された。
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