1999 Fiscal Year Annual Research Report
β-フェニルエチルアミンの分析と覚醒剤投与時の変化に関する研究
Project/Area Number |
10670390
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Research Institution | SHIMANE MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木村 恒二郎 島根医科大学, 医学部, 教授 (30153191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢ヶ部 智博 島根医科大学, 医学部, 助手 (40314645)
江藤 秀顕 島根医科大学, 医学部, 助手 (80244094)
高橋 節典 島根医科大学, 医学部, 助手 (90032226)
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Keywords | 法中毒学 / 神経中毒学 / ガスクロマトグラフィー / 質量分析法 / マイクロダイアリシス / β-フェニルエチルアミン / メタンフェタミン |
Research Abstract |
脳マイクロダイアリシス法による自由行動下に覚醒剤methamphetamine(MA)を投与し、ラット線条体細胞外液中のβ-フェニルエチルアミン(PEA)との濃度変化との間に何らかの関連性があるか否かについて検討し、さらに、これらの薬物投与後の脳神経細胞の形態学的変化についても可能な限り追求することを目的とした。 1)覚醒剤投与によるPEA濃度の変化 (1)ラット線条体透析液中のPEA濃度は20mg/kgのMAを投与直後から上昇し、投与から2時間後に一旦低下したが、再び上昇傾向を保持した。10mg/kgのMA投与群では著名な変化は認められなかった。この理由としては、MA投与によって増加したAMPによるPEAやDAなどの脳内モノアミンの酸化的脱アミノ化に関わるモノアミン代謝酵素B型の競合的阻害やPEAの再取り込み抑制が生じた可能性等が推測された。 (2)脳組織中のPEAの基礎値は線条体および視床下部がその他の部位と比較してやや高値を示した。また、20mg/kgのMA投与後のPEA濃度は、いずれの部位においても徐々に減少する傾向を示したが、線条体、海馬、視床下部、中脳および橋-延髄では24時間後に再度上昇した。この原因についての詳細は不明であるが、神経細胞自体の崩壊による可能性も否定できないものと推測された。 (3)20mg/kgのMA投与後、各脳組織および血液中のAMP濃度は24時間後にいずれも痕跡程度に減少した。 2)MA投与における脳神経細胞の組織学的変化 10mg/kgのMAを腹腔内投与後、6および24時間後に脳神経細胞の組織学的変化を観察したが、特異的変化は認められなかった。
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