1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670484
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
千々岩 芳春 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (90188475)
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Keywords | 消化管運動 / 平滑筋細胞 / 受容体 / ペプチド / 細胞内情報伝達機構 |
Research Abstract |
大腸輪走平滑筋の単離細胞を用いて、1.adrenomedullin(AM)、calcitonin-gene related peptide(CGRP)、calcitonin、amylinの受容体レベルでの相互作用、2.brain natriuretic peptide(BNP)の受容体、作用機序(細胞内情報伝達機構)、3.bradykininの作用、受容体を検討した。 (1)AM拮抗剤、CGRP拮抗剤はAM、CGRP、calcitonin、amylinの平滑筋弛緩作用を全て用量依存性に抑制した。selective receptor protection法においてAM結合部位のみの活性を残した細胞ではAM>CGRP>>calcitonin=amylinの順、CGRP結合部位のみの活性を残した細胞ではCGRP>AM>>calcitonin=amylinの順、calcitonin結合部位のみの活性を残した細胞ではcalcitonin>AM=CGRPの順、amylin結合部位のみの活性を残した細胞ではamiylin>AM=CGRP>>calcitoninの順で弛緩作用を認めた。この結果はこれらのペプチドが平滑筋細胞において個々の受容体を有し、各ペプチドの個々の受容体以外の受容体に対する親和性はAMとCGRPが最も強く、calcitoninとamylinは比較的弱いことを示している。 (2)BNPの平滑筋弛緩作用はsoluble guanylate cyclase阻害剤及びcAMP-dependent protein kinase阻害剤により有意に抑制された。また細胞内cAMPをEIAにて測定し、BNP刺激後にcAMP濃度が有意に上昇することを発見した。この結果はnatriuretic peptideにおける既知の細胞内情報伝達経路であるcGMP系以外に、BNPにおいてはcAMPを介する伝達機構が存在することを初めて明らかにした。 (3)bradykinin(BK)が平滑筋細胞に直接作用し収縮を惹起させること、その収縮作用はBK2受容体拮抗剤により抑制される知見を得ている。今後平滑筋細胞におけるBK受容体の詳細を明らかにしていく方針である。
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