1999 Fiscal Year Annual Research Report
ELRモチーフを欠くCXCケモカインの肝疾患での発現とその意義
Project/Area Number |
10670494
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicune |
Principal Investigator |
伊藤 義人 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70244613)
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Keywords | CXCケモカイン / ELRモチーフ / 肝疾患 |
Research Abstract |
[V]肝癌患者血清中でのCXCケモカイン(IL-8、IL-10,Mig)濃度の測定 直径3cm以下の小さな肝癌8症例、直径5〜10cmの大きな肝癌20症例で血清中のIL-8,IP-10、Migを検討した。昨年度の報告書[I]で述べたように、Human Migに関しては良好なELISA systemが完成せず、測定が困難であった。Human IP-10に関しては全例で検出可能であった(43〜840pg/ml)が、IP-10と肝癌の腫瘍径や腫瘍マーカーとの相関はなかった。また、肝臓での炎症が強い症例で血清中のIP-10値が高い傾向を示し、進展した肝硬変症の症例でもIP-10は高い値を示した。IL-8に関しては検討していない。 [VI]肝癌細胞株でのサイトカイン刺激下CXCケモカイン(IL-8、IP-10、Mig)産生の検討 IL-8を産生する肝癌細胞株Hep G2の培地に、100〜10000U/mlのIFN gammaとTNF alphaを添加、または、非添加のまま培養、培養上清中のIP-10およびMigの濃度をELISAで検討した。しかし、Human MigおよびHuman IP-10のいずれもが測定感度以下であった。mRNAレベルでの検討は行っていない。 [VII]肝癌患者の肝組織でのCXCケモカイン(IL-8、IP-10、Mig)産生細胞の同定 5名のC型肝臓癌患者の肝組織より癌部と非癌部に分けて採取し、[II]で述べた方法で、癌部と非癌部において、IP-10およびMigのmRNAの発現と蛋白の表出を検討したが、肝炎症例と違い、少なくとも癌部においては明らかなシグナルは認められなかった。
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