1999 Fiscal Year Annual Research Report
成人呼吸促迫症候群における一酸化窒素の関与と、オステオポンチンによる肺障害の制御
Project/Area Number |
10670559
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
佐藤 一彦 順天堂大学, 医学部, 講師 (50187176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和久 順天堂大学, 医学部, 講師 (80245711)
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Keywords | 成人呼吸促迫症候群 / 一酸化窒素 / オステオポンチン / マクロファージ / マウス |
Research Abstract |
【背景および目的】成人呼吸促迫症候群(ARDS)の病態に肺胞マクロファージから産生される大量の一酸化窒素(NO)が関与することが知られる。オステオポンチン(OPN)は生理的にマクロファージ等から分泌される糖蛋白であり誘導型NO合成酵素(iNOS)を特異的に阻害する事が報告されている。作年はマウスARDSモデルを作製し、内因性OPNがiNOSの生理的調節因子として機能することを明らかにした。本年度はin vitroにおいて、NOとOPNの相互関係をさらに詳細に検討した。【方法】in vitroでマクロファージ系細胞株RAW264.7細胞をLPSとIFNγで刺激し、NOSの阻害剤であるL-NMMAの存在下と非存在下で経時的なiNOSとOPNのmRNAの発現を検討した。さらに、RAW264.7細胞をNO donor(Spermine-NONOate)rで刺激しOPNの発現についても検討した。【結果】RAW264.7細胞をL-NMMA存在下でLPSとIFN-γで刺激すると、OPNの発現は著明に阻害された。また、Spermine-NONOateでRAW264.7細胞を刺激するとOPNの発現が誘導された。【結論】iNOSさらにそれにより合成されたNOとOPNは極めて密接に相互作用していることが明らかになった。LPS刺激後のマクロファージにおけるOPNの誘導がiNOSに比べて緩徐であり、Spermine-NONOateでOPNの発現が増強したことから、OPNは生体においてiNOSの生理的拮抗物質として働いていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takahashi K: "The Carboxyl-Terminal Fragment of Osteopontin Suppresses Arginine-Glycine-Asparatic Acid-dependent Cell Adhesion."Biochem and Mol Biol Int. 46. 1081-1092 (1998)
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[Publications] Takahashi F: "Osteopontin is induced by nitric oxide in RAW264.7 cells"Int Union Biochem and Mol Biol Life. in press (2000)