1998 Fiscal Year Annual Research Report
運動課題遂行時におけるヒト大脳運動時の興奮抑制調節に関する研究
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10670571
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鯨井 隆 山形大学, 医学部, 講師 (40214952)
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Keywords | ヒト / 運動時 / タスク / 興奮抑制 / 大脳磁気刺激 |
Research Abstract |
健常成人7名を、同意を得た上で次の順に生理学的検索を施行した。利き手側の第一背側骨間筋を最大収縮の約20%に持続筋収縮をさせ、一つの8の字コイルを対側運動野の頭上に接触して置き2連発刺激した。条件刺激・試験刺激(CTI)デザインを用い、条件刺激の強度を収縮時の運動閾値下とし、試験刺激を当該筋で得られる運動誘発電位(MEP)の振幅を約1.0mVとなるように強度を設定し、CT間隔を-10から+20msにランダムにふりそれぞれのCT時間での抑制度を振幅比を算出し評価した。手に関わるタスクを第2指の外転屈曲(FXA)、手の掌握(GP)、ピンチ運動(PINCH)に変え同様に検討した。各タスクでの第一背側骨間筋上の背景波が同等となるよう力モニターした。FXAでは-4から-1msにかけて127±4.2%(M±SE)と興奮(対照として安静時では102±1.2)を示し、+1から+5msでは80±3.2%と抑制を認めた。その他のタスクでは+1から+5msの抑制はほぼ同程度で各タスク間で差を認めなかった。しかし、-4から-1msにおける興奮性の態度は同じくタスクを変えても認められたが、GPで110±3.1%、PINCHで114±2.9%と比べ有意(p<0.05)にFXAで高かった。更に、第2指に間隔閾値の3倍で皮膚神経刺激を加え、後続に同様の磁気刺激を与えMEPの変化をみた。FXAではCTI=35〜65msで興奮(108±3.8,M±SE)を示したがGP,PINCH(90%以下)でのタスクでは認めず有意差(p<0.05)を認めた。トルクモーターによる反応は運動野の興奮性の傾向を示したが、今後トルク力の微調整が必要と考えられた。以上より、手筋に関わる随意運動中での運動野の興奮性はタスクにより活動様式が互いに異なるとともに、末梢神経の入力からも制御されていることが判明した。
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