1998 Fiscal Year Annual Research Report
胸腺内アセチルコリン受容体のアポトーシスと重症筋無か症の発症に関する研究
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10670612
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
川沼 祥子 福岡大学, 医学部, 講師 (70037472)
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Keywords | Myasthenia gravis / Thymus / Fas / nAChR |
Research Abstract |
重症筋無力症(myasthenia gravis,以下MG)は、骨格筋の神経筋接合部にあるニコチン性アセチルコリン受容体(nicotinic acetylcholine receptor,nAChR)を、抗原とする、自己免疫疾患である。MG胸腺には、胸腺過形成(胸腺炎)、胸腺腫などの異常がある。我々は、fetal calf thymus(FCT)から,吸着colum chromatographyにより分離した、nAChR(FCT)に対する、polyclonal抗体を作製し、ヒト胸腺上皮にnAChRが存在することを報告してきている(Mori S,Kawanami S et al.,1996)。これは正常対照とした、ヒト小児胸腺においても同様に認められた。 このnAChR-FCTを抗原として、ラットにexperimerital autoimmune myastheniagravis(EAMG)を、惹起することに成功している。 胸腺内のリンパ組織ではなく、上皮細胞に、apoptosisを誘導するFas抗原が存在していることをmonoclonal抗体を用いた、免疫組織染色法により観察した。生化学的には、Westernblotにより、胸腺腫に、nAChRの4 subunitsとFasがはあることを見出し、生化学的にも、アミノ酸配列にhomologyがあることを報告している(Kawanami S,Mori S et al.,submitted)。本研究は、このnAChRとFas抗原の局在を、polyclonal,およびmonoclonal抗体を用いた免疫組織学的方法と併せて、nAChRのsubunitおよびヒトFasのprobeを用いて、過形成胸腺、ヒト正常胸腺、胸腺腫において、in situ hybridizationの方法により、細胞レベルで検討している。
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