1998 Fiscal Year Annual Research Report
心内膜側細動脈の拍動ストレスに対する内皮性・筋原性拡張能のin vivo分離評価
Project/Area Number |
10670694
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Research Institution | Kawasaki College of Allied Health Professions |
Principal Investigator |
後藤 真己 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 教授 (50148699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医用工学, 講師 (00210279)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医用工学, 教授 (70029114)
平松 修 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (50208849)
松本 健志 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助教授 (30249560)
望月 精一 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助教授 (60259596)
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Keywords | 心内膜側 / 細動脈 / メカニカルストレス / 拍動圧 / 筋原性調節 / 血管反応 / 心筋虚血 / 微小循環 |
Research Abstract |
心内膜側の冠血管は心筋収縮・弛緩によって生じる拍動的メカニカルストレスを心筋内で最も強く受けるが、これに対して心内膜側細動脈は、内皮依存性血管拡張だけでなく、血管壁内外圧差による拍動的な物理的刺激を受容して、血管壁内外圧差の拍動振幅を刺激とする内皮非依存性(筋原性)血管拡張を示す(摘出実験)。そこで、in vivoで心拍動に伴う心内膜側細動脈の筋原性血管拡張機能を直接評価して血流調節に対する意義を明らかにするため、まずin vivo心内膜側細動脈径の拍動性評価法を開発した。具体的には、ニードル型生体顕微鏡のプローブを麻酔開胸犬の左心房から左心室心内膜側に導き、バルーン付きシースの補助で心内膜側細動脈を圧迫することなく観察・撮像し、心外膜側細動脈に対しては心表面よりアクセスした。左冠動脈主幹部にカニュレーションして冠潅流制御ポンプに連結し、冠動脈を任意の潅流圧で灌流した場合の細動脈の挙動を評価した。収縮期/拡張期に冠血管の内圧が大きく上昇/下降する拍動圧潅流は、心内膜側細動脈の血管拍動振幅を低下させた。平均冠動脈圧を低下させると、2秒後には心内外膜側ともに細動脈径に拍動圧潅流と定常圧潅流との間で有意差を認めなかったが、15秒後の心内膜側細動脈径は拍動圧潅流が定常圧潅流よりも低値で、その差は平均潅流圧を自己調節域下限圧の50mmHgに低下させると有意となった。このことから、心筋収縮に伴う心内膜側細動脈の拍動圧依存性血管拡張機構は潅流圧低下時に心内膜側細動脈の拡張を助けると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hiramatsu O,Goto M et.al.: "In-vivo observation of the intramural arterioles and venules in beating canine hearts." J Physiol. 509. 619-628 (1998)
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[Publications] 立花博之、Merkus Dahpne 他: "拍動圧依存性血管拡張機構は潅流圧低下時に心内膜側細動流を拡張する" Japanese Circulation Journal. (Supplement)63. 505 (1999)