1999 Fiscal Year Annual Research Report
純化末梢血CD34陽性細胞を用いた新たな造血幹細胞移植戦略の開発
Project/Area Number |
10670736
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
河野 嘉文 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (20260680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 力 徳島大学, 医学部, 助手 (70314862)
黒田 泰弘 徳島大学, 医学部, 教授 (20035471)
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Keywords | CD34陽性細胞 / G-CSF / アフェレーシス / HLA / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
本研究はG-CSFで動員された末梢血幹細胞をアフェレーシスで効率的に採取し、抗ヒトCD34抗原に対するモノクローナル抗体を用いてCD34陽性細胞を純化して移植術に応用することを目的としている。初年度はG-CSFを健常人に投与し、安全に採取・保存した細胞が白血病等の造血器腫瘍患者において同種移植術に使用できることを確認した。さらに自己免疫疾患に対象を拡大してその有用性を検討した。 難治性でステロイド依存性になった若年性関節リュウマチの15才男児に、ステロイド剤からの離脱を目的とし、大量化学療法と抗ヒトリンパ球グロブリンを投与して強力な免疫抑制を行った後、造血幹細胞救済療法を目的としてリンパ球を除いた純化CD34陽性細胞を輸注した。患児の造血機能は移植後約10日で回復しはじめ、2週間で移植前の状態に回復した。感染症等の合併症もなく、1ヵ月後には退院して外来で経過観察となった。移植術後はステロイド剤を投与する必要もなく、問題になっていた低身長はステロイドからの離脱とともに急速に改善している。 従来は癌治療にだけ用いられていた造血幹細胞救済療法が、自己免疫疾患でも利用可能であることを示した。純化CD34陽性細胞を用いた新たな治療戦略として今後が期待されるが、最終年度には癌患者における長期の造血機能維持能力の確認と自己免疫疾患における対象の拡大を検討する。
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