1999 Fiscal Year Annual Research Report
脳発達におけるアストロサイト由来神経栄養素因子の役割
Project/Area Number |
10670747
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
浅井 清文 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (70212462)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 泰治 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60094364)
|
Keywords | グリア成長因子 / 遺伝子 / クローニング |
Research Abstract |
1、ヒトGMFB、GMFGの特異的抗体の作製。大腸菌で発現させたヒトリコンビナントGMFB、GMFGを、ウサギに免疫しポリクローナル抗体を得た。さらに、GMFB、GMFGは相同性が高いため、通常のポリクローナル抗体では互いに交差反応を示した。そこでGMFB、GMFGを固定化したアフィニティーカラムを利用し特異的に反応する抗体だけを精製した。ウエスタンブロットで検討したところ、ヒトGMFB、GMFGに対しては、特異的に反応したが、ラットについては、反応しなかった。 2、ラットGMFB、GMFGのcDNAのクローニング。ラットGMFBcDNAについては、すでに報告されている塩基配列をもとにRT-PCR法を用いてタンパク質をコードしている部分のみクローニングした。ラットGMFGcDNAについては、ヒトGMFGcDNAをプローブとして、ラットBraincDNA Libraryをスクリーニング、クローニングした。ラットGMFGcDNAは、ヒトと同様142アミノ酸をコードしており、アミノ酸レベルで91.5%の相同性があった。 3、ラットGMFB、GMFGリコンビナント蛋白の発現。ラットGMFB、GMFGcDNAを発現ベクターpAED4に組み込み、大腸菌BL21(DE3)に導入した。発現したタンパク質は、カラムクロマトグラフィーにて精製した。 4、ラットGMFB、GMFGの特異的抗体の作製。大腸菌で発現させたラットリコンビナントGMFB、GMFGを、ウサギに免疫しポリクローナル抗体を得た。ヒトの時と同様にして交差反応を示す抗体成分をアフィニティーカラムを利用し除去し、特異的に反応する抗体だけを精製した。ウエスタンブロットで検討したところ、ラットGMFB、GMFGに対して特異的に反応した。 5、ノーザンブロット、ウエスタンブロットによる検討。ラット臓器におけるGMFB、GMFGの発現を検討するためにノーザンブロットおよびウエスタンブロットを行った。ノーザンブロットは、市販のMultiple Choice Tissue Northern Blotを購入し検討した。GMFBは、脳に特に多く、他の臓器にも一様に発現していた。一方、GMFGは、胸腺、脾臓、睾丸に多く発現していた。ウエスタンブロットには、妊娠ラットより、大脳皮質、脾臓、胸腺を採取し、蛋白を抽出し使用した。GMFGは、胸腺、脾臓に発現しており、ノーザンブロットの結果とほぼ一致した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Katano,H.: "Traumatic injury in vitro induces IEG mRNA in cultured glial cells. suppressed by coculture with neurons"NeuroReport. 10. 2439-2448 (1999)
-
[Publications] Sobue,K.: "Induction of Blood-brain barrier properties in immortalized bovine brain endothelial cells by astrocytic factors"Neurosci. Res.. 35. 155-164 (1999)
-
[Publications] Sobue,K.: "Molecular cloning of two bovine aquaporin-4 cDNA isoforms and their expression in brain endothelial cells"Biochim. Biophys. Acta. 1486. 389-394 (1999)
-
[Publications] Hotta,T.: "Membrane-bound form of ADP-ribosyl cyclase in rat cortical astrocytes in culture"J. Neurochem.. 74. 669-675 (1999)
-
[Publications] Fuse,T.: "p27kip1 expression by contact inhibition as a prognostic index of human glioma"J. Neurochem.. (in press).
-
[Publications] Tsuiki,H.: "Cloning of a rat glia maturation factor-γ(rGMFG)cDNA and expression of its mRNA and protein in rat organs"J. Biochem.. (in press).