1998 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎における易感染性機序の解明-CD8 Tc2細胞の役割
Project/Area Number |
10670791
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
荒田 次郎 岡山大学, 医学部, 教授 (70033082)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 感染症 / IgE / Tc1細胞 / Tc2細胞 |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎では皮膚に同様な易感染症を繰り返し、多くの場合血清IgEが高値を示します。その原因としてCD4T細胞から産生される様々なサイトカインが関与することが知られています。最近CD8T細胞がType1だけでなくType2のサイトカイン産生能を獲得し、易感染症や血清IgE高値との関連が示唆されています。しかし、アトピー性皮膚炎において、これらの細胞がどのように関わり合っているかどうかは解析されていない。そこで本研究では、アトピー性皮膚炎患者を血清IgE低値群とIgE高値群の2群に分けて、各々の末梢血T細胞のサイトカイン産生パターンをフローサイトメトリー,ELISA,RT-PCR法を用いて調べた。その結果、IgE低値のアトピー性皮膚炎患者と比べてIgE高値のアトピー性皮膚炎患者における末梢血では、CD4^+CD45RO'T細胞だけでなくCD8^+CD45RO^+T細胞も有意にIL-4、IL-13の産生能が亢進していることが明らかになった。しかし、アトピー性皮膚炎患者において、今回見つけられたCD8Tc2細胞が全身だけでなく局所の免疫系にどの様な作用を持っているかについては、何ら示されていない。今後は、Th2型のサイトカインを放出するCD8T細胞(CD8Tc2細胞)の発現および病態におけるその役割について詳細に分析し、アトピー性皮膚炎の易感染性の病因、病態に関連した免疫異常の解析をさらに進める。
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Research Products
(1 results)