1999 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者における大脳辺縁系機能抑制に関しての画像的研究
Project/Area Number |
10670819
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 正敏 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 教授 (00125501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊野 宏昭 東北大学, 医学系研究科, 助手 (90280875)
窪田 和雄 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (40161674)
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Keywords | ポジトロン断層法 / がん / 脳代謝 / 大脳辺縁系 / 抑鬱 / PET |
Research Abstract |
本研究は、がん患者の情動変化を客観的に脳画像として評価する方法を開発し、心理テストを補足する情動検査法を確立することを目標とする。昨年度の研究により全身ポジトロン断層検査(PET)を用いてがん診断を行った72症例の脳画像を用い、帯状回、視床下部、海馬等の大脳辺縁系における広範なブドウ糖代謝の低下を認めた。この変化が脳器質障害によるものなのか、あるいは心因性の障害なのか不明であった。そこで、ドイツのアルバート・ルートヴィヒ大学核医学科との共同研究として、ドイツでのがん患者の脳の解析を行った。年齢・性別をコントロールした正常患者10名との比較をおこない、がん患者と比較した結果、前頭前野、側頭頭頂葉皮質、前・後部帯状回、大脳基底核、などにおいて代謝の低下が確認され、東北大学データを近い結果を得ることができた。また、癌患者21名を、(1)抑鬱度、(2)不安、(3)化学療法の有無、(4)残存癌組織の有無、の四項目に関してサブグループに分け、サブグループ間解析を施行した。その結果、前頭前野、側頭頭頂葉皮質、前部帯状回における代謝低下は、抑鬱度および不安と強い負の相関を示すことがわかった。化学療法の影響が前部帯状回で、腫瘍組織の残存という因子の影響は、小脳および後頭葉において観察されたが、がん患者に観察されるこのような代謝異常は、癌組織による脳に対する生物学的影響というよりも患者の心理的な問題により引き起こされている可能性が高いという結論を得た。一連の研究結果は、スペイン、バルセロナにおけるヨーロッパ核医学界で注目すべき演題として紹介された。また、医学雑誌ランセットで発表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tashiro M.,Juengling FD.,Reinhardt J.M.,Itoh M. 他 8名: "Reproducibility of PET Brain Mapping of Cancer Patients"Psycho-oncology. In press. (2000)
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[Publications] Tashiro M.,Juengling FD.,Reinhardt M.他 2名: "Psychological response and survival in breast cancer (correspondence)"The Lancet. 355. 405-406 (2000)
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[Publications] Tashiro M.,Kubota K.,Itoh M.,他 5名: "Hypometabolism in The Limbic System of Cancer Patients Observed by Positron Emission Tomography"Psycho-oncology. 8・4. 283-286 (1999)
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[Publications] Tashiro M.,Itoh M.,Juengling FD.,Kubota K.,他 6名: "Limbic Dysfunction of Cancer Patients without Brain Metastasis"Neuroimage. 9. S594 (1999)
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[Publications] Tashiro M.,Kubota K.,Itoh M.,Sasaki H.,Moser E.: "A report on clinical PET activities in Germany"核医学. 36・7. 761-772 (1999)
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[Publications] 伊藤正敏、山口慶一郎他 2名: "サイクロトロンとスーパーコンピューターを利用する三次元全身ポジトロン核医学画像法(PET)の概要"SENAC. 32・1. 27-31 (1999)