1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670928
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Research Institution | Tokyo Institute of Psychiatry |
Principal Investigator |
渡辺 雅幸 財団法人東京都精神医学総合研究所, 精神薬理研究部門, 副参事研究員 (90101930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
開地 泰介 財団法人東京都精神医学総合研究所, 精神薬理研究部門, 非常勤研究員
野中 良一 財団法人東京都精神医学総合研究所, 精神薬理研究部門, 技術部研究員
萩野 洋子 財団法人東京都精神医学総合研究所, 精神薬理研究部門, 技術部研究員
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Keywords | 非定型抗精神病薬 / クロザピン / ハロペリドール / ドーパミン |
Research Abstract |
1) 非定型抗精神病薬クロザピンと定型抗精神病薬ハロペリドールのラット前頭前野及び線条体におけるドーパミン放出に及ぼす影響を脳内透折法により測定した。ハロペリドール投与0.1mg/kg)は線条体のドーパミン放出を約2倍に増加させたが,前頭前野におけるドーパミン放出促進作用は弱かった。ハロペリドールはD2ドーパミン受容体遮断作用が強く,線条体のシナプス前剖D2自己受容体を遮断することによりドーパミン放出促進を引き起こすものと考えられた。他方クロザピン(10mg/kg)は前頭前野においてドーパミン放出を約8倍と顕著に増加させたが,線条体においてはドーパミン放出に影響を及ぼさなかった。クロザピンの前頭前野におけるドーパミン放出促進作用がこの薬剤の独特な臨床効果と関連していると推測された。 2) D3ドーパミン受容体は側坐核などの辺縁系に局在し,クロザピンなどの非定型抗精神病薬の作用部位であるとの指摘もある。そこてexvivoオートラジオグラフィーにより,ラット生体に投与された各種抗精神病薬が脳内D3ドーパミン受容体をどの程度占有するかの検討を行った。フェノチアジン系薬剤はID50値が5mg/kgと臨床用量に相応する投与量でD3受容体に結合していることが明らかとなった。しかし,クロザピンなどの非定型的薬剤は高用量(100mg/kg)でもD3受容体にはほとんど結合せず,したがってクロザピンが直接的にD3受容体に作用しているとは考えにくい結果であった。
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Research Products
(1 results)