1998 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性サイトカインと酸化ストレスによる線溶因子発現制御機構
Project/Area Number |
10670937
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
新谷 憲治 岡山大学, 医学部, 助教授 (50145116)
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Keywords | urokinase / oxidative stress / gene expression / lymphoma cell / northern blot / antioxidant / IL-1 / LPS |
Research Abstract |
活性化酸素種を誘導するH_2O_2およびmenadioneの存在下にウロキナーゼ産生RC-K8細胞を培養し、酸化ストレスのuPA発現に対する影響を検討した。H_2O_2およびmenadioneは、いずれも、培養上清中のuPAの発現を誘導し、subtoxicな濃度(0.2mMH_2O_2、menadione10μM)の時、最大の効果を発揮した。plasminogen activator inhibitortype1、type2(PAI-1、PAI-2)、およびuPAreceptor(uPAR)を発現しているPL-21細胞を用いた実験では、H_2O_2およびmenadioneは、いずれも、PAI-1、PAI-2およびuPARの発現を誘導しなかった。Northern blot法の検討により、0.2mMH_2O_2およびmenadione10μMの刺激でuPAmRNAレベルは、約2倍に増加した。ActinomycinD-mRNAdecayの実験で、H_2O_2およびmenadioneにより誘導されたuPAmRNAの半減期は、延長を示さず、酸化ストレスによるuPAの遺伝子発現は、転写の亢進であることが示唆された。H_2O_2およびmenadioneによるuPAmRNAの誘導は、antioxidantであるN-acetylcycteineによって部分的に阻害された。さらに、IL-1およびLPSによるuPAmRNA誘導も、N-acetyl cysteineにより部分的に抑制され、IL-1およびLPSによるuPA遺伝子発現に部分的に酸化ストレスが関与していることも明らかになった。H_2O_2およびmenadioneによるuPAmRNA誘導は、IMR-90ヒト胎児肺線維芽細胞でも認められた。 現在、uPAのプロモータ領域を組み込んだルシフェラーゼレポータプラスミッドをDEAE-dextran法でRC-K8細胞に導入して、転写効率と、cis-acting elementsの同定を行っている。さらに、最近の実験により他の活性化酸素種でもuPA発現が誘導されることが明らかになり、現在、論文にまとめられ、再投稿中である。
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