1999 Fiscal Year Annual Research Report
熱ショック蛋白抗原提示機能を応用した消火器癌に対する新しい免疫遺伝子療法の開発
Project/Area Number |
10671132
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
北川 雄光 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20204878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 正博 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20217508)
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
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Keywords | 熱ショック蛋白 / 免疫遺伝子治療 |
Research Abstract |
1)BALB/c由来線維肉腫細胞CMS7にマウスHER2/neuを遺伝子導入した細胞株CMS7ME(三重大学、球玖 洋教授より供与)をBALB/c皮下に接種し発育した腫瘍より、腫瘍由来ストレス蛋白質gp96,hsp90,hsp70を抽出し、別のBALB/cマウスの皮内に投与(1週間隔で2回)した。2週後、CMS7ME(5X106)をマウス皮下に接種して腫瘍細胞の生着、増殖速度、生存率をコントロール群(PBS皮内投与)と比較検討した。 2)BALB/cマウス直腸内にN-nitroso-N-methylurethaneを注入して得られた大腸癌株CT26を皮下接種し発育した腫瘍より同様にgp96,hsp90,hsp70を抽出した。さらに、BALB/cマウス正常肝よりgp96,hsp90,hsp70抽出し、CT26抗原ペプチドAH1とin vitroで結合させたcomplexを作製した。これらCT26腫瘍由来hspもしくは正常組織由来hspと抗原ペプチドの複合体を1)と同様に免疫した場合の抗腫瘍効果を検討した。 結果:1)CMS7ME由来gp96,hsp-70投与群において、腫瘍増殖抑制効果、生存期間の延長を認めた。hsp90投与群においては有意な変化を認めなかった。2)CT26腫瘍由来gp96投与群において腫瘍増殖抑制傾向を認めたが有意差を認めなかった。CT26腫瘍由来hsp90,hsp70投与群においては変化を認めなかった。正常肝由来gp96-AH1 complex投与群において有意な腫瘍増殖抑制効果、生存期間の延長を認めた。一方、正常肝由来gp96-AH1 complex投与群の脾細胞を用いた51Cr遊離測定法では、現在のところAH1特異的CTLの誘導は確認できていない。 考察:動物腫瘍モデルにおいて腫瘍由来hspおよび正常組織由来hspと抗原ペプチドの複合体を用いて免疫することにより腫瘍増殖抑制、生存期間の延長が観察された。その作用機序、とくにCTLの関与については検出感度、技術的な問題も含めてさらなる検討が必要である。
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