2000 Fiscal Year Annual Research Report
自家発生動物胃癌モデルを用いた胃癌遺伝子治療の研究
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10671224
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
松倉 則夫 日本医科大学, 医学部, 助教授 (70124427)
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Keywords | MNNG / アデノウイルスベクター / HSV-TK / 実験胃癌 / 遺伝子治療 / 自殺遺伝子 / ラット / アポトーシス |
Research Abstract |
自殺遺伝子HSV-TKをCAGプロモーターを有するアデノウイルスベクターで、MNNGで作製した雄ウイスターラット自家発生胃癌に直接(in situ)穿刺針で5X10^8pfu投与し、プロドラッグであるganciclovir 100mg/kg投与後の組織変化および体内でのHSV-TK遺伝子の推移を検討した。HSV-TK/ganciclovir群は投与開始3,8,30日に屠殺した。TUNEL法で検索したアポトーシスは、シャムオペレーション群に比し8日と30日で有意に亢進した(P<0.001)。組織学的な癌組織の変性、繊維化、壊死、アポトーシスは30日剖検群で有意に亢進していた(P<0.05)。末梢血でのHSV-TK遺伝子は、PCRおよびSouthern blot analysisの両法で投与30日まで検出された。この結果から(1)自殺遺伝子治療により、組織変性に先行してアポトーシスが起こる、(2)組織学的な治療効果の発現には30日を有する、(3)HSV-TK遺伝子は投与30日でも体内に存在することが明かとなった。これらの結果はヒト胃癌の遺伝子治療を行うにあたって、重要な所見と考えられ現在英文誌に投稿中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 松倉則夫,恩田昌彦 他: "進行がんに対する遺伝子治療-現状と見通し-"綜合臨牀. 49・9. 2437-2440 (2000)
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[Publications] 松倉則夫,恩田昌彦: "残胃の癌とHelicobacter pylori"消化器外科. 23・7. 1133-1138 (2000)
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[Publications] 松倉則夫: "ピロリ菌と胃病変 臨床サイドから"日医大誌. 67・5. 358-359 (2000)
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[Publications] 宮下正夫,松倉則夫 他: "残胃癌"臨床雑誌. 62・12. 1399-1402 (2000)
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[Publications] 松倉則夫,加藤俊二 他: "Helicobacter pylori除菌による高位胃癌発生リスク"消化器内視鏡. 12・4. 431-434 (2000)
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[Publications] 松倉則夫,恩田昌彦 他: "H.pylori除菌治療による腸上皮化生の可逆性の検討"Therapeutic Research. 21・10. 2548-2550 (2000)
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[Publications] 松倉則夫: "大腸癌-発生から治療まで-"メディカグローブ. 243 (2000)