1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671337
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Research Institution | ASAHIKAWA MEDICAL COLLEGE |
Principal Investigator |
熱田 裕司 旭川医科大学, 医学部, 講師 (90167924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 英司 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50142807)
武田 直樹 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80227032)
松野 丈夫 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10165847)
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Keywords | 神経根 / 坐骨神経痛 / 一酸化窒素 / セロトニン / 異所性発火 / 電気生理学 / 髄核 |
Research Abstract |
今年度においてはin vivoにおいて神経根由来の異所性発火を観察できる実験モデルを作成し、以下に述べる2種類の検討を行った。 実験にはラットを用い、除脳後に後枝腓腹神経より双極電極にて知覚神経を逆行する神経発火活動を導出記録した。この手法によって、腰部神経根が刺激されることに基づいて発生する異所性発火が評価できることを確認した。 (1)実験1:髄核投与による異所性発火の発現 ラットの第5、6腰部神経根を露出し、尾椎から摘出した髄核を留置した。その後1、2,4週において腓腹神経から異所性発火にもとづく自発性神経活動を導出し、発火頻度を測定した。無処置対照と比較していずれの時期においても発火頻度は有意に増大しており、2週で最大値をお示した。一方、馬尾刺激により座骨神経で得られた誘発電位を用いて神経伝導速度を測定すると、その値に低下は見られなかった。こららのことから、髄核は神経根に作用して異所性発火を誘発するが、伝導障害を引き起こすことは無いと考えられた。 (2)馬尾圧迫による一酸化窒素感受性変化 ラット馬尾レベルにおいてシリコンチューブを脊柱管内に挿入し、1週間経過させた馬尾圧迫モデルを作成した。1週間後の観察において、腓腹神経の活動は有意に増大しており、異所性発火が発現していることが確認された。この動物において神経根に一酸化窒素やセロトニンを作用させると、著名な発火増大が見られた。このような変化は馬尾圧迫の無い動物では少なかった。 以上の結果は坐骨神経痛の発生機序を理解する上で重要な、髄核の影響、ならびに物理的圧迫と化学的刺激の相互関係、を明らかとしたと考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Bai YH, et al.: "Peripheral mononeuropathy induced by loose ligation of the sciatic nerve in teh rat"Exp.Animal. 48・2. 87-94 (1999)
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[Publications] 佐藤雅規、他: "頚髄症における術後予後予測の試み"日本脊椎外科学会雑誌. 10・1. 72 (1999)
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[Publications] 佐藤雅規、他: "後根神経節に対するnitric oxideの影響"北海道整形災害外科学会雑誌. 発売予定.