1998 Fiscal Year Annual Research Report
骨吸収・骨形成シグナルに対する破骨細胞Caイオンチャネルの動態解析
Project/Area Number |
10671361
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤本 吉範 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (30199377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 薫 広島大学, 医学部, 助教授 (10200586)
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Keywords | 破骨細胞 / イオンチャネル / パッチクランプ |
Research Abstract |
破骨細胞の骨吸収能は、破骨細胞内へのカルシウムイオンの流入により調節されていると考えられている。その経路が選択的なカルシウムチャネルを経由するか非特異的なcationのチャネルを経由するかを研究するため、破骨細胞の膜電流をパッチクランプ法にて測定する。 パッチクランプ法には細胞の単離が必要であり、新生Wistar系ラットの後肢長管骨骨髄より細胞を採取した。骨幹部骨髄をcell disc上に撒布し、15%FBS含有α-MEM内で約1時間培養したところ、多核の巨細胞が得られた。この細胞は、直径20〜40μmで、ほぼ円形を呈し、酒石酸耐性酸フォスファターゼ染色にて陽性に染色された。 これに形態的に一致する細胞に対してwhole cell methodにてパッチクランプ法を施行すると、主にK電流からなると思われる外向き整流性の電流が得られた。この細胞における静止電位は約-40mVであった。 以上の結果は、Arkettらの報告(Arkett,S.A.,Dixon,S.J.,Sims,S.M.,1992.Substrate influence rat osteoclast morphology and expression of potassium conductance.J.Physiol.,458:633-653)にほぼ一致しており、活動休止期の破骨細胞を単離し膜電流測定を行ったものと考えられる。 今後は、同細胞に対してカルシトニンをはじめとするホルモンやマクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインを負荷し、その刺激に伴うカルシウムイオンの動態を測定することで、破骨細胞の活動性に対する影響を分析する予定である。
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