1998 Fiscal Year Annual Research Report
発育期腰椎終板障害の病態(生体力学的・生化学的・分子生物学的アプローチ)
Project/Area Number |
10671363
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
加藤 真介 徳島大学, 医学部, 講師 (30243687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 佳孝 徳島大学, 医学部付属病院, 医員(臨床)
西良 浩一 徳島大学, 医学部付属病院, 助手
安岡 劭 徳島大学, 医療技術短期大学部, 教授 (30035414)
井形 高明 徳島大学, 医学部, 教授 (80108860)
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Keywords | 発育期 / 腰椎 / 終板 / 分離症 / すべり症 / 生体力学 |
Research Abstract |
我々は、発育期腰椎分離症のすべり進展は、成長期のなかでも、特に椎体骨年令がcartilagenous(C)stageの期間にすべり進展・増悪が生じ、epiphyseal(E)stage以降では見られないことを報告してきた。発育期におけるすべり進展には、終板が主因的に関与しており、今回は、骨年令の推移にともなう終板の生体力学的強度の推移を検討した。週齢の異なる新鮮仔牛屍体脊椎7体を用いた。各脊椎を脊椎可動区分(Functional Spinal Unit:FSU)に切離し、計15FSUを得た。週齢により検体を3群に分類した。すなわち、A群は出生直後の5FSU、B群は10週齢の5FSU.C群の残る5FSUは成長が終了した24月齢であった。各群のX線像の特徴より、A群は小児腰椎のC stageに、B群はapophyseal(A)stageに、また、C群は、A stage終了時でほぼE stageに近い状態であった。これらFSUの頭側腰椎の関節突起間部にpars defectsを作製し、頭尾側椎体を骨セメントにて固定後、MTS systemに設置し、頭側椎体に前方剪断負荷を与え破損に至らせた。この際得られた負荷一変位曲線より、破損の際の負荷量(N)および変位量(mm)を求めた。破損部位はX線学的に検討した。3群における平均破損負荷量はA.B.C群で、それぞれ、242.79+/-46.05、986.40+/-124.16、2024.54+/-245.53(N)であり3群間にそれぞれ有意差を認めた(p<0.01)。平均変位量は3群間には有意差はなかった。破損部位は、全例尾側椎体頭側成長軟骨層であった。C stageの終板が他の2群に比べ有意に小さい強度で破損に至った今回の結果は、C stageにすべり進展・増悪をきたす臨床的データに符合しており、終板の脆弱性が、発育期分離症のすべり進展に関与することが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Sairyo et al.: "The pathomechanism of isthmic lumbar spondylolisthesis.A biomechanical study in immature calf spines." SPINE. 23. 1442-1446 (1998)
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[Publications] 西良浩一ほか: "発育期脊椎分離症のすべり発生、増強に及ぼす骨年齢の影響、臨床的検討" 日本脊椎外科学会誌. 10(印刷中). (1999)
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[Publications] 梶浦清司ほか: "発育期脊椎分離症のすいべり発生、増強に及ぼす骨年齢の影響、生体力学的検討" 日本脊椎外科学会誌. 10(印刷中). (1999)