1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671370
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
青木 光広 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (10159296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 静二 札幌医科大学, 医学部, 助手
岡村 健司 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80264513)
石井 清一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20001000)
村上 弦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30157747)
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Keywords | 腱の再生 / 骨-腱移行部 / 病理組織学 / 走査電子顕微鏡 / 力学的特性 |
Research Abstract |
エンテーシスは筋肉が生み出す力を腱を介して骨へ伝達する重要な部位であり、腱のコラーゲン線維が線維軟骨を介して骨に連結している.しかし,エンテーシスの再生を詳細に監察した報告は少ない. 我々は,1997より解剖学的に特殊な構造を持つエンテーシスに関する研究を開始した.その結果,腱の断列端を骨に逢着した場合,腱より骨へ至るコラーゲン線維は骨側の縫合面の状態により異なって再生することが明らかにされた.つまり,骨側に腱の断端が残存している場合は,コラーゲン線維は腱の断端を介して骨に連結した.骨側の表面が石灰化線維軟骨の場合は,骨へのコラーゲン線維の連結が遅れた.骨側の表面が海面骨の場合は,肥厚した骨梁にコラーゲン線維が強固に連結した.この事実は,臨床的に行われている手術手枝が,確かであることを証明している. さらに,我々は骨へのコラーゲン線維の連結を詳細に観察する目的で,走査電子顕微鏡(SEM)を用い,コラーゲン線維が海面骨骨梁に連結する初期の微細構造を観察した.その結果,骨梁への新生コラーゲン線維の連結は,術後2週で新生コラーゲン線維と新生骨とが同時期に形成されることより始まった.術後4週で新生コラーゲンは配向性をもつ繊維束となり新生骨および骨梁に連結し,術後6週でコラーゲン繊維束は密になり肥厚した骨梁と連結した.これは,骨へのコラーゲン線維の連結を解明した初めての報告である. 以上の結果に基づき,エンテーシス部分でのコラーゲン線維の再生やリモデリングを促進するための条件を解明する.そのために,コラーゲンの解析,成長因子の発現,メカニカルストレスの関与について実験を進めて行く予定である.
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[Publications] Aoki,M.: "The bone-tendon interface of an infraspinatus tendon re-attached to the fibrocartilagenous"2nd Congress of the Asian Pacific Federation of the Societies for Surgery of the Hand in Singapore. 5-8 (1999)
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[Publications] Aoki,M.: "Re-attachment of the infraspinatus tendon to the calcified fibrocartilafenous layer."Shoulder Joint. 23. 183-187 (1999)
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[Publications] Aoki,M.: "Restoration of tensile properties at tendon insertion to bone by a patellar tendon-tibia autograft:An experimental study with canine infraspinatus"J.Shoulder Elbow Surg.. 8. 628-633 (1999)
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[Publications] 木村 明彦: "腱板欠損に対するテフロンフェルト移植の組織学的検討"日整会誌. S1635 (1999)
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[Publications] 小熊大士: "修復腱板の超微細構造"日整会誌. S1637 (1999)