1999 Fiscal Year Annual Research Report
吸入麻酔薬の最小肺胞濃度における神経細胞由来一酸化窒素の役割
Project/Area Number |
10671398
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福田 妙子 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (40228911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 重行 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20186935)
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Keywords | 吸入麻酔薬 / 一酸化窒素 / デキサメデトメジン |
Research Abstract |
「デキサメデトメジン投与後のハロタン最小肺胞濃度とNADPHジアホラーゼ組織化学染色」(平成11年度分課題)の研究を実施しました。 デキサメデトメジン(DEX)単回投与では、組織変化を捉えることは困難であったため、持続投与群及びその対照(生理食塩水)群を新たに設けて実験を行いました。 [方法]対象は8-9週齢の雄Sprague-Dawleyラット36匹で、DEX(50μg/kg)1回投与群と3日及び14日間の慢性投与(50μg/kg/day)群の3群、さらに各々の対照群(生理食塩水)3群の合計6群に分けた。Egerらの方法に基づいてハロタンMACを測定した後、4%パラホルムアルデヒド溶液で組織固定し、腰髄、胸髄と橋(青斑核)をScherer-Singlerらの方法に基づきNADPH-diaphorase染色をし、陽性細胞数を分析した。 [結果]単回投与のDEXはハロタンMACを約50%低下させたが、NADPH-diaphorase染色の低下は伴なわなかった。持続投与のDEXはハロタンMACを変化させなかったが、3日投与群で青斑核と腰髄で陽性細胞数が有意に低下していた。 [まとめ]単回投与の実験結果からDEXによるMACの低下は一酸化窒素の抑制を介しているとはいえないことが判明した。持続投与の実験結果からDEXは腰髄と橋(青斑核)で一酸化窒素の活動を抑制していることが示唆された。
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