1998 Fiscal Year Annual Research Report
全身性カルニチン欠乏マウス(JVSマウス)における妊よう性低下の病態に関する検討
Project/Area Number |
10671477
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
村上 尚 徳島大学, 医学部, 助手 (40210009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 敏博 東京大学医科学研究所, ヒトゲノム解析センター, 助手 (50292850)
石村 和敬 徳島大学, 医学部, 教授 (90112185)
桑島 正道 徳島大学, 医学部, 助教授 (00205262)
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Keywords | カルニチン / 全身性カルニチン欠乏マウス / 閉塞性無精子症 / 精巣上体 |
Research Abstract |
Juvenile Visceral Steatosis (JVS) mouseはカルニチン輸送担体の活性がない(BBRC174:1090,1991)。このため腎でのカルニチンの再吸収が障害され(BBA 1226:25,1994)、血中と全身の組織(肝、心、骨格筋)でのカルニチン濃度が低下する(J Mol Cardiol 30:773,1998)。即ち、ヒトのprimary carnitine deficiencyのanimal modelである。 平成10年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 1) 原因遺伝子の同定 JVSマウスは常染色体劣性の遺伝形式をもつ、単一遺伝子疾患である。原因遺伝子は、第11番染色体上に局在することを、1996年に報告していた。1998年にhuman OCTN2 (Na^+ dependent carnitine transporter)が報告されたので、mouse OCTTN2をcloningし、その第6 trans membrane domainにあるcodon 352のCTG(Leu)が、JVSマウスではCGC(Arg)に変異していることを見い出した。 2) 精巣の分析 JVSマウスのオスは生殖能が極めて悪く、その原因を知る目的で組織学的分析を行った。その結果、精巣上体の体部と尾部の間で、閉塞(6例中5例が完全、l例が不完全)し、完全閉塞の場合、尾部には精子が見られなかった。精巣上体は精子を通過させながら、成熟させていく極めて大切なorganであり、JVSマウスがヒトの閉塞性無精子症のanimal modelになりうる可能性を示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Lu: "Amissense mutation of mouse OCTN2,a sodium-dependent carnitine cotranspoter,in the juvenile visceral steatsis(JVS)mouse" Biochem.Biophys.Res.Commun.252. 590-594 (1998)
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[Publications] K.Toshimori: "Dysfunction of the epididymis as a result of primary curnitine deficiency in animal model Juvenile visceral steatosis mice" FEBS Letter. (in press).