1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671572
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
早川 智 日本大学, 医学部, 講師 (30238084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西成田 進 日本大学, 医学部, 講師 (70110963)
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Keywords | HIV / 経胎盤感染 / ケモカイン |
Research Abstract |
先天エイズ感染児の予後が著しく不良であることからHIV感染妊婦における胎児新生児に対する垂直感染の予防は重要な課題である.産道感染によるAIDSの垂直感染は陣痛発来前の選択的帝王切開によって予防可能であるが,妊娠中に成立する経胎盤感染は確実な予防が困難である.しかしHIVの経胎盤感染は比較的少なく何らかの局所的防御機構が存在する可能性が示唆される.我々は本補助金によって1胎盤絨毛細胞が機能的なケモカインレセプターを発現し、脱落膜リンパ球が産生するケモカインがその機能を調節すること、初代培養絨毛細胞ならびに絨毛癌細胞株はいずれもHIVに感受性でありこの感染は抗CD4抗体でブロックされないが抗CCR5抗体CXCR4抗体でブロックされることが明らかになった。 2またHIV陽性妊婦の胎盤におけるHIVp24の局在を酵素抗体法、in situ hybridizationで明らかにした。さらに表面抗原の差よりセルソーターによって分離したvillous trophoblast細胞、extravillous trophoblast,Hofbauer細胞におけるHIVの局在をRT-PCTRによって証明した。しかし、胎盤に感染を来した症例の大部分は胎児への感染が見られず、胎盤から臍帯血リンパ球への感染経路においてplacental barrierが存在する可能性が示唆された。 3日本において子宮内母児感染の確認された13症例より分離されたHIV株のウイルス学的性状を解析した。Clade B,E間に感染性の差は見られなかったが2/3はV3ループの29アミノ酸残基のDがEに変換する特異的な突然変異を有していた。 4健常新生児における臍帯血中IL-16の濃度は非妊婦、妊婦血中の約10倍に達しており胎盤より新生児リンパ球へのHIVの感染防止に作用する可能性が示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ishii M,Hayakawa S.Yoshino N. Honda M,Nishinarita S.Satoh K: "Expression of functional chemokine receptors in human placental trophoblasts and choriocarcinoma cell lines"Am.J.Reprod Immunol.. (in press). (2000)
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[Publications] Hayakawa S.Nagai N.Kanaeda T.Karasaki.Suzuki M.Ishii M.Chishima F: "Inter leukin-12 aufments cytolutic activity of placental and decdnal lymphonytes against choriocarcinoma cell lines and primary culture frophoblaits"Am.J.Reprod.Immunol. 41. 320-329 (1999)
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[Publications] Ishii M.Hayakawa S.Satoh K: "Roles of Hox genes in the growth,differentiation and malignont transformation of human troheblasts"Nihon Univ.J.Med. 41. 339-350 (1999)
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[Publications] Hayakawa S.Fujikawa T,Fukuoka H.Chishima F.Karasaki Suzuki et al: "Murine fetal resorption and experimental preeclampsia are induced by both exessive Th_1 and Th_2 activation"J.Reprod.Immunol. (in press). (2000)
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[Publications] 早川 智: "妊娠と脱落脱免疫"日本輸血学会雑誌. 45. 747-749 (1999)
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[Publications] 早川 智: "母胎リンパ球のTh_1/Th_2均衡と活性化異常から見た妊娠異常の解析"日本産婦人科学会雑誌. 51. 626-632 (1999)
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[Publications] 早川 智、佐藤和雄: "生殖免疫の話"診断と治療法. 152 (1999)
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[Publications] 佐藤和雄編著(早川分担執筆): "産婦人科 20世紀のあゆみ"メディカルビュー社. 295 (1999)