1998 Fiscal Year Annual Research Report
内毒素による実験的歯周炎病巣素における組織破壊とマイクロファージ系細胞の役割について
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10671698
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊集院 直邦 大阪大学, 歯学部, 教授 (70028786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 明雄 大阪大学, 歯学部, 助手 (40303979)
伊藤 玲子 大阪大学, 歯学部, 助手 (30283790)
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Keywords | 内毒素 / 実験的歯周炎 / 免疫組織化学 / マクロファージ / コラーゲン原線維 / la抗原 / リンパ球 / インターロイキン |
Research Abstract |
本研究は、リポポリサッカライド(LPS)によって辺縁歯周組織に惹起される炎症性変化に対するマクロファージ(Mφ)系細胞の役割を実験病理学的に検討すること試みたものである。Wistar系雄性ラットの臼歯歯肉溝よりLPSを1回及び2回局所投与し、同部辺縁歯周組織に出現するMφ系細胞の動態とIL-1βなどの炎症性サイトカインの発現やリンパ球系細胞の出現状況との関係を免疫組織化学的手法を用い検討した。その結果、1.LPS1回投与により、(1).歯肉接合上皮(JE)下結合組織に単球由来浸出性Mφと考えられるED1陽性Mφが投与後3時間後から増加し7日後にかけて対照群に比べ優位に増加した。一方、ED2陽性を示す組織常在性Mφの数はほとんど変化しなかった。(2).LPS投与後3時間から12時間後に単紡錘形ないし多角形をしたIL-1β陽性Mφ様細胞が同部に一過性に出現し骨吸収などの炎症反応に関与することが推測された。(3).また、その多くがED1陽性浸出性Mφと考えられるIa抗原陽性の多角形ないし樹状細胞が同部にLPS投与後3時間から増加し、7日目に高値を示し、免疫応答能が時間の経過とともに高まることが示唆された。2.次にLPS2回投与により、(1).1回投与に比べてJE内への好中球の浸潤や歯槽骨辺縁部での破骨細胞の出現が増加傾向を示すとともに、ED1陽性細胞数がJE下結合織に投与後3時間から7日にかけて増加を示した。(2)Ia陽性細胞も同部においてLPS2回目投与後3時間から7日にかけて早期から著明な増加を示した。(3).以上より、LPS2回目投与により、投与部直下の歯肉組織を中心に炎症反応が早期より且つ増強され、これには1回目投与により同部に増加したIa陽性Mφが関与し、少なくともサイトカインの産生などにより非特異的な炎症反応ないし免疫応答が増強された結果起こったと推察された。現在リンパ球系細胞の動態について検討し、特異的な免疫応答の増強の有無について検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大西 明雄 他: "LPS2回投与によるラット歯周組織におけるマイクロファージ系細胞動態の変化ー免疫組織化学・系滝計測学的検討" 日本歯周病学会会誌. 40(秋特). 73- (1998)
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[Publications] 大西 明雄 他: "Osteoclalst in rat periodontium after topical application of lipopolysaccharide" Abstracts of papers for JADR. 95- (1998)