1999 Fiscal Year Annual Research Report
成熟破骨細胞に発現する受容体型チロシンキナーゼTyro-3とその機能解析
Project/Area Number |
10671711
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
羽毛田 慈之 明海大学, 歯学部, 助教授 (90164772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米川 正好 明海大学, 歯学部, 教授 (40049367)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨髄細胞 / Gas6 / Tyro3 / c-src / PI3-kinase / FAK |
Research Abstract |
I.破骨細胞の分化過程におけるTyro3の発現。 骨組織でのTyro3の発現パターンを骨芽細胞、単離破骨細胞、血球系細胞を代表して脾細胞および骨髄細胞、ポジティブコントロールとして脳を用いて、RT-PCRから検索した。その結果、Tyro3の発現は単離破骨細胞にのみ検出され、骨組織における破骨細胞の特異的なTyro3発現が確認された。さらに、骨髄細胞と骨芽細胞の共存培養系を用いて、破骨細胞の分化段階でのTyro3の発現を検討した。その結果、Tyro3の発現は共存培養系で酒石酸耐性酸ホスファターゼ陽性の破骨細胞様細胞が出現するのと平行してTyro3の発現が認められ、破骨細胞の分化過程においてTyro3の発現は未分化破骨細胞では小さく、成熟するに従って増強することがわかった。このことからもTyro3は成熟破骨細胞のみに発現することが支持された。 II.成熟破骨細胞におけるTyro-3を介したGas6の情報伝達機構の解析。 Tyro-3を介したGas6の情報が破骨細胞においてどのように伝達されるか、Tyro-3の下流に位置する情報伝達分子は何かを抗phosphotyrosine抗体およびc-srk,PI3-kinase,FAKなどのチロシンキナーゼに対するする抗体を用いて検討した。その結果、Gas6刺激によってc-src,FAKおよびPI3-kinaseのリン酸化が促された。すなわち、活性化したTyro3は、c-src,FAKおよびPI3-kinaseと会合し、情報が伝達されると考えられる。 III.骨構成細胞におけるGas6産生に対する調節機構の解析。 破骨細胞の骨吸収活性を支持することのできる株化間質細胞ST2におけるGas6の産生能およびその調節機構を分子レベルで解析した。その結果、ST2は活性型ビタミンD3および副甲状腺ホルモンの作用によってGas6産生を増強した。いずれのホルモンとも骨吸収促進作用があることから、その機構にGas6/Tyro3が関与することが示唆された。
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