1999 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分化におけるトポイソメラーゼとトポロジー変化により抑制される遺伝子とその機能
Project/Area Number |
10671750
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
木崎 治俊 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (60051653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 一正 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (30307376)
谷本 豊 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (10276975)
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Keywords | 細胞分化 / トポイソメラーゼ / アポトーシス / hnRNP A1 / TIS |
Research Abstract |
細胞が様々なシグナルに応答して起きる転写因子の制御を伴った分化、増殖、アポトーシスなどにはトポイソメラーゼによるDNAのトポロジーの制御が重要である。トポイソメラーゼの阻害は未分化細胞に分化を誘導したり、また、免疫系細胞、血球系腫瘍細胞、唾液腺癌細胞ではアポトーシスを引き起こす。我々はリンパ腫細胞RVCをトポイソメラーゼIの阻害剤であるカンプトテシンで処理すると、アポトーシスの誘導とともにRNAのスプライシングに関与するhnRNP A1と機能未知の新規遺伝子TISの発現が減少する事を明らかにした。今年度はTIS遺伝子の生理的機能を明らかにするため、分化に伴う発現の変化について解析を行った。多分化能を有するF9およびヒト唾液腺癌細胞HSGをレチノイン酸やdibutyry1 cAMPで処理し、トポイソメラーゼはウェスタンブロットで、TIS遺伝子の発現はRT-PCRで解析した。その結果、F9、HSGともに1.トポイソメラーゼIIαは分化誘導に伴う表現形の出現とともにタンパク質の発現量が減少した。2.トポイソメラーゼIは分化誘導に伴う変化を示さなかった。また、3.HSGにおけるTISのmRNA RT-PCRでの解析のため、ヒトTIS cDNAを増幅するプライマーを設計し、ヒト及びマウスTIS mRNAのリアルタイムRT-PCRによる定量法を確立した。また、4.ヒト血球系腫瘍細胞であるJurkat、U937、HL-60においても、カンプトテシン処理によりアポトーシスが誘導されるとともにTIS遺伝子の発現が減少した。5.これらの細胞ではホルボールエステルによる分化誘導では、TIS遺伝子の発現に変化は見られなかった。
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Research Products
(2 results)