1999 Fiscal Year Annual Research Report
根尖性歯周炎の根尖病巣組織内におけるフリーラジカル産出について
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10671801
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Research Institution | Nihon University School of Dentistry at Matsudo |
Principal Investigator |
和田 守康 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (00050120)
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Keywords | iNOS / NO / 根尖病巣 / ESR spintrapping |
Research Abstract |
昨年度の報告において根尖性歯周炎の根尖病巣組織内においてフリーラジカルの産生が明らかになり、特に反応性が高いとされているヒドロキシラジカルをESRスピントラッピング法にて確認した。このことから根尖病巣における炎症巣においてヒドロキシラジカルの障害性が明らかになった訳であるが、一方でNitric oxide(NO)の生理活性が注目されており、歯科分野においてNOと炎症性物質との関連が分子生物学的に研究されている。そこでNOの発現を検討したところNOは直接ESRスピントラッピング法によっては確認できなかったが、動物実験において根尖病巣内におけNO誘導酵素であるNOSは免疫組織学的な検索において抗iNOS抗体を用いて検討したところiNOS発現細胞の集積が観察された。また病巣組織内におけるNO発現をESRスピントラッピング法によって検討したところNO特有のスピンアダクトが検出された。またこのスピンアダクトにNO消去剤であるL-NMMAを添加すると濃度依存的にNO スピンアダクトは消去された。このことはラット根尖病巣内においてNOの発現を意味しており、根尖部における炎症巣の波及においてNOが何らかの役割を担っていることが示唆される。NOの発現はその濃度によって細胞誘導性が異なり、NOの濃度が濃い場合破骨細胞の活性化が促進され、NOの濃度が薄い場合骨形成が促進されるという報告がされている。このことはNOの生理活性の特異的な部分であるために今後炎症性サイトカインとのinteraction、細胞誘導性などを検討していく予定である。
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