1998 Fiscal Year Annual Research Report
組織血流量の変化が咀嚼筋エネルギー代謝に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
10671811
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 泰彦 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (90200617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 華織 北海道大学, 歯学部附属病院, 助手 (40281828)
箕輪 和行 北海道大学, 歯学部, 助手 (30209845)
小松 孝雪 北海道大学, 歯学部, 助手 (90271668)
井上 農夫男 北海道大学, 歯学部附属病院, 助教授 (20091415)
戸塚 靖則 北海道大学, 歯学部, 教授 (00109456)
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Keywords | 組織血流量 / 咀嚼筋 / 筋エネルギー代謝 / 31P-MRS |
Research Abstract |
何らかの原因で引き起こされた組織血流量の低下は,エネルギーを消費した状態の筋組織へのエネルギー源の供給を遅延させ,その結果,筋疲労からの回復を阻害すると推察されている.しかし,これまで,咀嚼筋の血流量の変化と咀嚼筋内のエネルギー代謝の関連性を検討した研究は少ない.本研究の目的は,31P-MagneticResonance Spectroscopy(MRS)分析法を,各種条件下の血流量における咬筋のエネルギー状態を分析し,咀嚼筋の血流量の変化が,筋組織内のエネルギー代謝に及ぼす影響を検討することである.平成10年度には,31P-MRS検査法の確立を中心に,実験方法の確立を試みた.31P-MRSの測定は,本学に現有する7T横型超伝導磁石NMR(バリアン社)を用いることとした.表面コイルの形状ほか,筋肉の31Pスペクトルを適正に検出する至適条件を予備実験により検討した.直径25mmの表面コイルとATPsampleを用いて,1Hのスペクトルの半値幅を基準にして,shim coilの電流を調整し,磁場を均一にする操作(shimming)を行った.その結果,α,β,γ-ATPの3つのピークからなる31Pのスペクトルを得ることができた.組織血流量の測定には,レーザー血流計を用いることとしたが,計測深度が浅いため,細いニードル型センサーを皮下に刺入する必要が生じた.そのため,プローブの固定法,出血に対する対応などが,問題点として生じ,今後の検討点となっている.
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