1998 Fiscal Year Annual Research Report
パルスオキシメトリ法による乳歯および幼若永久歯の歯髄診断に関する研究
Project/Area Number |
10671929
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三輪 全三 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (30157705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 英世 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (00184341)
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Keywords | 歯髄診断 / 歯髄脈波 / 光電脈波 / 発光ダイオード(LED) / 乳歯 / 幼若永久歯 |
Research Abstract |
1. 研究目的:歯髄の生死診断は従来よりの電気的診断法が主流である。しかし、この方法は患児に痛みを与える、返答に客観性を欠く、幼若永久歯などでは閾値が高く反応しにくい、などの欠点がある。一方、透過光光電脈波法は光が歯冠を唇舌的に透過する際の歯髄血流の変化量を脈波として観察するものであり、レーザードプラー血流測定法に比べ、歯髄血流に由来する信号成分が多く含まれると報告されている。井川ら(1994)は緑色の発光ダイオード(LED)を光源として、成人の歯髄光電脈波を検出しているが、これまでに幼若永久歯を測定対象とした報告は得られていない。今年度はパルスオキシメトリ法の前段階である、透過光光電脈波の検出を成人被験者で測定条件を決定し、次に小児被験者にて幼若永久歯を測定対象とした実験を行い、歯髄脈派が検出できることを目標とした。 2. 研究方法:成人被験者の健全な上顎中切歯を被験歯として、小型発光ダイオード(緑色LED、ピーク波長565nm)と、受光センサー(CdSe素子)とで透過光光電脈波を観察した。歯髄脈波測定と同時に被験者の心電図も記録し、脈波の検出を確認した。導出された信号はデーターレコーダーに記録し、必要に応じてパーソナルコンピューターにて平均加算した。小児被験者2名の上顎中切歯(幼若永久歯)についても同様の方法で歯髄脈波を測定した。 3. 結果:(1)透過光の発光源には波長が565nmにピークを有する緑色の発光ダイオード(LED)を、受光側には同域にピークを有するCdSe素子を用いると、心電図に同期した歯髄脈波を検出することができた。(2)小児の幼若永久歯からは成人の歯よりも、明瞭な歯髄脈波を検出することができた。(3)電気診ではリークしやすい萌出不十分の歯や、感覚閾値が高く反応が得られない幼若永久歯においても、客観的に生活反応を確認することができ、本法は小児に適した歯髄診断法となりうる可能性が示唆された
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Research Products
(1 results)