1999 Fiscal Year Annual Research Report
生合成酵素を用いた生理活性カンナビノイドの大量調製法の開発
Project/Area Number |
10672108
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森元 聡 九州大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (60191045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正山 征洋 九州大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (70037604)
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Keywords | 大麻 / カンナビノイド / THCA合成酵素 / CBDA合成酵素 / CBCA合成酵素 / 遺伝子クローニング / PCR / 大量調製 |
Research Abstract |
前年度ではTHCA合成酵素及びCBDA合成酵素の遺伝子をクローニングし,大腸菌/pET28系を用いて発現実験を行ったが,両翻訳産物の大部分は不溶性画分(inclusion body)に不活性なタンパクとして発現することが判明した.そこで,本年度はまず最初に,不溶性画分に含まれる組み換えタンパクを巻き戻すことにより,活性タンパクへの誘導を試みた.塩酸グアニジン等の変性剤を用いて不溶性画分の組み換えタンパクを可溶化した後,種々の条件で巻き戻しを行ったが,活性を有するフラクションを得ることができなかった。活性を有する組み換え酵素が得られなかった原因としては,大腸菌と植物のタンパク質生合成系の違いにより、発現したポリペプチドのフォールディングや翻訳後の修飾が不適切であったことが考えられる.そこで,植物と同じ真核生物である酵母を用いて,THCA合成酵素の発現を試みた。THCA合成酵素遺伝子を酵母発現ベクターpYE22mのGAPプロモーター下流のKpn I/Bam H I部位に組み込んだ後,酵母BJ2168コンペテントセルに形質転換し,25℃で48時間培養した.細胞抽出液及び培地についてTHCA合成酵素活性を測定したところ培地に強い活性が検出され、発現したTHCA合成酵素の大部分が分泌されていることが確認された。現在,より強い酵素活性を発現する系の確立に向けて,種々の検討を行っている.CBDA合成酵素遺伝子の発現に関しては,同様の酵母による発現系を構築中である.また,CBCA合成酵素の遺伝子クローニング,CBCAの大量調製法に関しては現在検討中である.
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