1999 Fiscal Year Annual Research Report
熱ショック耐性亜株におけるHsp70蛋白質発現機構変異の解析
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10672180
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Research Institution | Miyazaki Medical College |
Principal Investigator |
小谷 富男 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (10161936)
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Keywords | アポトーシス / 熱耐性亜株 / Hsp70 / ミトコンドリア / Bax |
Research Abstract |
43℃-2時間熱耐性 Jurkat 亜株は熱ショックアポトーシスに対して抵抗性であるが、その原因は Hsp70 蛋白質の accumulation によると考えられた。しかし、Hsp70 の作用機序が不明なので今年度はミトコンドリアに焦点を絞り以下の検討を行い、更に実験中である。 1、ミトコンドリア膜電位の変化 DiOC6(3)をプローブに用いて FACS により、正常 Jarkat 細胞と熱耐性亜株の膜電位の変化を比較した。正常細胞では43℃、2時間から膜電位の低下が出現したが、熱耐性亜株では43℃、2時間その後の37℃、4時間を通して膜電位のの低下は見られなかった。正常細胞での膜電位の低下は Annexin V 結合細胞の出現とほぼ平行すると考えられた。 2、ミトコンドリア分画におけるアポトーシス関連蛋白質の検討 正常 Jarkat 細胞と熱耐性亜株の whole cell lysates およびミトコンドリア分画を用いて Western blot により Bak、Bax、Bid、Hsp70、チトクロームC、Apaf-1、Caspase 2、3、9、Bcl2、BclX_L の量を検討した。その結果 Bax のみに違いを認めた。即ち、熱耐性亜株の whole cell lysate とミトコンドリア分画で Bax が著明に減少していた。Bax のポリンへの結合がミトコンドリア膜の pore opening に関与するとの報告もあり、アポトーシス抵抗性と密に関係している可能性を考えた。 3、熱耐性亜株における mBax の強制発現 熱耐性亜株における Bax 蛋白質の発現レベル低下がアポトーシス抵抗性に関与しているか否かを検討するため、熱耐性亜株にマウス Bax を強制発現させ熱ショックアポトーシスが回復するか否か検討することを企画した。予備実験的に行ったトランスフェクションではアポトーシス能の回復はなかった。しかし、マウス Bax の発現をモニターしていないので、モニターシステムを構築したうえで再度検討する予定である。
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Research Products
(1 results)