1998 Fiscal Year Annual Research Report
看護婦の視覚・聴覚・触覚による身体的情報の表現方法に関する研究
Project/Area Number |
10672199
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齋藤 やよい 千葉大学, 看護学部, 助教授 (40242200)
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Keywords | 看護記録 / 触覚 / 情報伝達 / 看護観察 |
Research Abstract |
1, 看護婦の触覚によって観察した情報の言語化に関する実態調査 協力の得られた28名の看護婦を対象とし、対象が実際に検温を行う場面をビデオ録画することで触覚による観察の実態を明らかにし、さらに看護記録の記載終了後面接を行い、観察の目的、判断等について聞き取り調査を行った。 (1) 通常の検温に要した時間は患者一人あたり13.6±5.1分であり、その中で患者の身体に触れた回数は11.6±3.1回であり、「観察の目的で意識的に触った」が38.8%、「観察の補助手段として」16.9%、「看護行為の一部として」43.4%、「無意識」が0.9%であった。 (2) 触った身体部位は上肢が49.8%、体幹27.1%、下肢10.5%、頭部7.7%、顔面4.9%の順であり「意識して観察」する場合には体幹部に多く触れていた(p<0.05)。 (3) 触覚で収集した情報173件は脈拍が最も多く39.8%を占め、体温20.2%、湿潤9.3%、浮腫、関節の硬さ、握力、腹満、皮膚の状態などがあった。しかし、このうち看護記録に記載記載された情報は35件(20.2%)に過ぎなかった。 (4) この結果は臨床経験年数、性による違いはなく、看護婦個々に相対的基準があることが示唆された。 2, 記録された「表現」からイメージする「現象」に関する調査 1,の研究協力施設の看護記録から抽出された五感による表現のうち、使用頻度の高い表現を列挙し、そこからイメージする現象を多肢選択法によって回答するアンケート用紙を作成した。使用頻度が高い表現は色(単色・2色表現、濃淡表現)、量(少・中・多量等)、温度(温・冷感等)、時間(しばらく、徐々に、すぐに等)に関する表現であった。
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