1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10672223
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
守田 美奈子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教授 (50288065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲岡 文昭 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40151568)
樋口 康子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50198991)
坂本 成美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助手
吉田 みつ子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (80308288)
川原 由佳里 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (70308287)
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Keywords | 看護哲学 / 看護理論 / 看護科学 / 複雑系の科学 |
Research Abstract |
本年度は「看護哲学の確立に向けての基礎的研究」として、以下の課題に取り組んだ。 1) 看護理論の分析 1800年代後半のナイチンゲール以降、現代にいたるまでの米国の看護理論家の著作のうち10書を対象に、看護における哲学的課題として重要と思われる概念の分析を行った。分析にあたっては、看護学の目的、看護学に「看護の哲学」が必要な理由等について近接学問領域との比較を行いながら議論を深め、看護学としての認識論的課題、存在病的課題、行為論的課題という枠組みから理論の分析を進めた。分析は現在も進行中であり、今後はさらに各々の理論が書かれた時代背景・周辺学問領域の動き等を検討しつつ、全体として議論していく計画である。 2) 「看護の科学」における方法論の検討 「看護の哲学」の確立に向けては、その両輪である「科学としての看護学」を探究する必要があり、本研究においてはこの側面からも検討した。看護学においては、対象者である人間をその環境を含めてまるごと捉え、援助を行う全体論の立場を重視している。このような全体論の概念は上記の看護理論の分析過程においても検討しているが、このような複雑な現象を科学的に探究する方法は十分確立されていない。そこで現在、生命科学、工学等の分野で注目されている複雑系の科学に着目し、その発展過程や方法論、看護学との関連について検討した。
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