1998 Fiscal Year Annual Research Report
勤労者の運動療法における認知行動療法の適用に関する研究
Project/Area Number |
10680034
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田中 俊夫 徳島大学, 大学開放実践センター, 助教授 (00263872)
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Keywords | 認知行動療法 / 生活習慣病 / 運動療法 |
Research Abstract |
生活習慣病の改善には運動療法が有効であるが、フルタイムで仕事を持つ勤労者の運動継続率はきわめて低い。本研究の目的は、勤労者の運動療法に認知行動療法を用いることにより、運動の継続性をより高めていく指導システムを確立することである。 認知行動療法の長所は、画一的な指導を行わず、個人の問題点を把握した上でライフスタイルにあった達成目標を設定していける点である。本研究ではその過程を学習カードを用いて行うこととした。学習カードを用いることにより、作業を通じて個人の問題点を視覚的に捉えることができ、また誰でも指導することが可能となる。 本年度は2年計画の1年目として、この学習カードを作成する,ことを主な研究内容とした。まず勤労者77名を対象に平成10年6月から平成11年2月までの7ヶ月間の運動療法プログラムを行った。この間、計3回にわたって第1次学習カード(50枚)を用いた目標設定や評価を行った。この結果、歩数に見る生活活動量は増加し、学習カードを用いた目標設定の有効性が示唆された。 さらにこの学習カードの内容を精選するために、上記プログラムの参加者を中心に76名からアンケートの回答を得た。これにより、歩数の増加につながる生活習慣の改善ポイントが明らかになった。これらの結果を踏まえ、33枚に改訂した第2次学習カードを作成した。 この第2次カードを用いて、BM126以上の肥満症を有する男性勤労者65名を対象に、平成11年2月から10ヶ月間の運動療法プログラムを開始した。研究2年目の来年度では、このプログラムの成果から学習カードによる認知行動療法の有効性を詳細に検討したい。そして運用上の課題点の克服やさらなる項目の精選を行い、学習カードを用いた勤労者の運動療法支援システムを確立したい。
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