1999 Fiscal Year Annual Research Report
勤労者の運動療法における認知行動療法の適用に関する研究〜継続性を強化する運動療法支援システムの作成とその効果〜
Project/Area Number |
10680034
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田中 俊夫 徳島大学, 大学開放実践センター, 助教授 (00263872)
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Keywords | 生活習慣病 / 認知行動療法 / 運動療法 / ライフスタイル / 運動習慣 / 学習カード |
Research Abstract |
【研究の概要】本研究の目的は,勤労者の運動療法に認知行動療法を用いることにより、運動の継続性をより高めていく指導システムを確立することである。 認知行動療法の長所は、画一的な指導を行わず、個人の問題点を把握した上でライフスタイルにあった達成目標を設定していける点である。本研究ではその過程を学習カードを用いて行うこととした。学習カードを用いることにより、作業を通じて個人の問題点を視覚的に捉えることができ、また誰でも指導することが可能となる。 本年度は2年計画の2年目として、昨年度作成した学習カードを用いて運動療法の成果と学習システムの有効性を検討した。勤労者を対象とした10ヶ月の生活習慣病改善プログラムを実施し、初回、中間、最終回に学習カードを用いたライフスタイルチェックと血液検査・体重測定を実施した。また、被験者には10ヶ月間万歩計による1日の歩数を記録してもらった。被験者39名よりデータを回収した。 【結果】日常生活での活動レベル得点は5.1から9.3に、運動習慣得点は2.2から4.7にいずれも有意に改善された。その結果、体調・体力得点は22から27.1に改善され、1日の歩数も6703歩から8326歩へと増加した(P<0.01)。 【考察】学習カードを用いた認知行動療法により、個々の生活習慣を再考する契機となり、ライフスタイルが改善されていったものと考える。特に変化の大きかった項目は、「歩いて10分の移動距離なら歩く」「仕事の後もよく動くようにしている」「通勤では歩くか自転車を使う」「朝食前にからだを動かす」であった。体調・体力の自覚症状では「運動不足感」と「腰痛」がもっともよく改善されていた。
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