1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680124
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
中村 邦雄 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (00207870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 恵美子 大妻女子大学, 家政学部, 助手
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Keywords | ポリウレタン / 未利用資源 / 生分解性 / 機械的性質 / 熱的性質 / 分解ガス |
Research Abstract |
ビール粕含有ポリウレタン(BG-PU)は、ビール粕を乾燥後、篩いにかけ200メッシュパスに粒度をそろえ、ポエチレングリコール(PEG)と混合してポリオールとし、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)と反応させて調製した。BG-PUの機械的性質、熱的性質、分解ガス測定、SEM観察、画像解析、生分解性試験を行った。 BG-PUフィルムの強度は、ビール粕含有率の増加とともに、増加し、伸度は低下した。 このことからビール粕はハードセグメント、PEGはソフトセグメントとして作用し、両者のバランスにより物性が決定されることが分かった。 BG-PUフィルムのガラス転移温度はビール粕含有率の増加とともに増加し、PUの三次元架橋の進行による分子運動の抑制が強まることが分かった。 土壌中での生分解試験による減量率は、時間の増加とともに増加し、約50日まで急激な減少を示し、その後緩やかな減少に移行した。またビール粕含有率の増加とともに生分解減量率は増加し、含有率が70%のPUフィルムは250日後に約25%強の減量を示した。 これらPUが廃棄され、焼却される場合を想定して、燃焼時の発生ガスの分析を行った。分解温度はビール粕含有率の増加とともに低下し、分解残渣は増加した。分解発生ガスは、約2350cm^<-1>付近の炭酸ガスの吸収が主であり、特に有害なガスの発生は認められなかった。 以上のようにビール粕から調製したポリウレタンは生分解性を有し、物性はソフトなものからハードなものまで調製することができ、人と地球環境に優しい高分子材料になると考えられる。
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