1999 Fiscal Year Annual Research Report
肥満女性の味覚感度は低下しているか?肥満の原因を舌から検索する
Project/Area Number |
10680144
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
水沼 俊美 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (60035508)
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Keywords | 味覚 / 肥満 / 加齢 / 認知閾値 / 生活習慣病 / 体脂肪率 |
Research Abstract |
平成10年度では、女性の味覚感度が加齢にともない低下することが見いだされた。さらに、肥満者の味覚感度も40歳代から非肥満者に比べて有意に低下していることも判明した。 平成11年度では、平成10年度の結果を基に、肥満女性の味覚感度の低下と食生活の実態との関連を詳細に検索することを目的とした。結果は以下のとおりである。 1.肥満女性の摂食量 一日当たりの摂食エネルギーはとり過ぎていない。しかし、脂質エネルギー比が高く、油脂に偏った食べ方であった(肥満研究1998,4:25-29報告済み)。 2.個人別の塩味の味覚閾値と、塩分の摂取量との関連を栄養調査と尿中排泄から定量的に調べた結果、塩味の味覚感度が低い人は、塩分の摂取が多いという関係は認められなかった。 さらに、男性についても検索した結果、女性と同様の結果を得た(肥満研究1998,5:30-34報告済み)。一方、フィールドを生活習慣病(肥満)萌芽期にある中国で調査を開始している。中国では、肥満者がで始めた都市部と、肥満者のいない農村部(少数民族)で、調査している。肥満の判定には、慎重をきして世界的に通用する生体計測法(マルチン法を導入)や、体脂肪率を測定している。科研の研究課題である、肥満と味覚の研究から、食文化(中華食文化と日本の食文化)と味覚感度の日中比較へと研究分野を拡大したいと切願している。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 金子 真紀子: "肥満における味覚の変化"肥満研究. 5・1. 30-34 (1999)
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[Publications] 水沼 俊美: "女性の味覚感度は加齢で低下し,肥満では酸味が低下する"肥満研究. 4・4. 25-29 (1998)
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[Publications] 久木野 憲司: "加齢にともなう味覚感度の低下について"福岡医学雑誌. 89・3. 97-101 (1998)
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[Publications] 久木野 憲司: "舌表面における4基本味質の認知閾値に関する研究"福岡医学雑誌. 88・10. 331-336 (1997)
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[Publications] 水沼 俊美: "n-3系及びn-6系不飽和脂肪酸からみた料理の脂質評価"栄養学雑誌. 57・1. 37-44 (1999)
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[Publications] 水沼 俊美: "脂肪酸からみた食事脂質評価の一例"栄養学雑誌. 57・1. 45-49 (1999)
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[Publications] 于 秉柯: "健康と食べもの、中国東北部の食生活-農村と都市の比較-"家政教育社. 5 (2000)
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[Publications] 于 秉柯: "味覚感度にみる食塩摂取の栄養指導"保健の科学. 未定 (2000)