1999 Fiscal Year Annual Research Report
麹納豆に含まれるフィターゼとフィチン酸およびCaの利用効率の改良
| Project/Area Number |
10680146
|
|---|
| Research Institution | Kyoto Prefectural University |
|---|
Principal Investigator |
大槻 耕三 京都府立大学, 人間環境学部, 教授 (50046489)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 考志 京都府立大学, 人間環境学部, 助手 (90285247)
佐藤 健司 京都府立大学, 人間環境学部, 助教授 (00202094)
|
|---|
| Keywords | 麹納豆 / 塩納豆 / 浜納豆 / 大徳寺納豆 / フィチン酸 / きなこ / フィターゼ / 遊離カルシウム |
|---|
| Research Abstract |
麹菌は多くの酵素類を含むのでその酵素反応を昔から食品加工に利用してきた。麹納豆はその1例で、東北地方の塩納豆、静岡県の浜納豆、京都の大徳寺納豆などが存在する。本研究では麹納豆の酵素活性(特にフィターゼ)を検討し、非発酵大豆食品の問題であるフィチン酸Ca、Zn、Fe塩(栄養的に不給体のミネラル)の分解加工をめざしている。東北地方の塩納豆(#1、酒田市)、浜納豆(#2、浜松市)、大徳寺納豆(#3、京都市)及び比較対象として糸引き納豆(#4、納豆菌による加工品)、その他の非発酵大豆食品を試料とし化学分析、酵素活性測定を行なった。塩納豆は糸引き納豆に米麹と食塩を加えたもので熟成期間は約3カ月で、糸引き納豆と麹の形態が残存している。浜納豆と大徳寺納豆はほぼ同じ製法で蒸煮大豆に麦こがしと麹を加え1週間発酵させた後16%食塩水に浸漬し約一年間熟成する。これらの試料を化学分析したところ、食塩量は#1,#2,#3,#4の順に4.1%,27.6%,31.5%,0.1%であった。各試料のpHは、6.6,4.7,6.6,7.7で#1は糸引き納豆の性質が残っていた。また遊離カルシウムと総カルシウム比の値は#3、#2、#1、#4の順に大きく麹菌で加工した#1〜#3の麹納豆では熟成中に大豆中のフィチン酸カルシウムが麹菌フィターゼにより分解されていることと熟成期間を反映している。またこれら四種の納豆のフィチン酸量を測定すると0.24%,0.01%,0.14%,0.79%であった。非発酵大豆食品の「きなこ」は1.95%もフィチン酸が含まれておりミネラル栄養の吸収性が悪い。これらの試料の比較から麹菌フィターゼは「カルシウムの栄養や微量ミネラルの栄養」の吸収に非常に有効であることを示している。
|
Research Products
(1 results)
