1999 Fiscal Year Annual Research Report
オリゴ糖および核酸のアミノカルボニル反応と活性酵素の関与
Project/Area Number |
10680153
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
森田 潤司 同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (40115952)
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Keywords | アミノカルボニル反応 / 活性酵素 / オリゴ糖 / 核酸 |
Research Abstract |
アミノカルボニル反応はマヤール(メイラード)反応とも呼ばれ、食品の加熱・醗酵・熟成・保蔵中に起こる着色やフレーバー形成に関わる反応で、食品の品質と密接に結びついている。この反応の反応機構解明と反応制御法を探ることが本研究の目的である。今年度は昨年度に続き、以下2点を明らかにした。 (1)オリゴ糖のアミノカルボニル反応における反応性 食品中に存在する各種グルコオリゴ糖のアミノカルボニル反応における反応性を反応液の吸光度・蛍光強度から比較した。その結果、(1)二糖類間では還元末端側の単糖の反応性に依存する。(2)単糖の場合と同様に水溶液中での1,2-エンジオール構造の存在割合が反応性の要因であることがわかった。すなわち、グルコ二糖類では1位置換体のトレハロース、スクロースの反応性はなく、2位置換体のコウジビオースも反応性は低かった。3位および6-位置換体のニゲロース、イソマルトースは開環型の存在割合が多いため、反応性は特に高く、4位置換体のマルトースもやや高かった。 (2)アミノカルボニル反応への活性酸素の関与 アミノカルボニル反応は遷移金属イオンで促進され、SOD、カタラーゼの添加やキレート化合物の添加で部分的に阻害された。単糖および二糖類について活性酸素生成能をヒドロキシルラジカルによる2-デオキシリボース酸化法および安息香酸酸化法で比較したところ、還元糖のアミノカルボニル反応における反応性と活性酸素生成能はおおむね一致した。アミノカルボニル反応に活性酸素の関与する反応経路のあることが考えられる。
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