1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680263
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
船城 道雄 静岡大学, 教育学部, 教授 (00022210)
|
Keywords | 普遍文法 / 認知教授法 / 意味役割 / 語順 / 意味単位 |
Research Abstract |
意味単位および語順は日本語と英語の双方に普遍文法の一部として存在していると想定されるので、まず静岡市立高松中学校で八木校長の許可を得て石黒好美教諭(英語)とともに2年生のクラスで研究授業を行った。 まず、意味単位を理解させるために疑問詞(誰が、何を、誰に、何で、〜する)を使用して、生徒の母語である日本語で意味単位と語順の関係がどうなっているかについて実験を行った。 「売った」と「払った」の場合に、意味単位と語順の関係を無意識のうちに自分がどのようにとらえているかについて気づかせる実験を試みた。これは、「誰が 誰に 何を 売った/払った」のなかで、「何を」に当たる意味単位が動詞のすぐ隣に来ている事実に着目させて、日本語でも英語でも、言語が変わっても、動詞の意味にもっとも関係が深いものが、動詞の隣に来るという普遍的な原理に気づかせる実験である。 ここで分かったことは普遍文法に基づく原理に従えば、(1)母語に対する覚醒をあらたにする。(2)それによって言語に対する親近感を醸成する。(3)英語に対する応用が自分の母語に見られる認知能力を通してできる、などが発見された。 Cognitive Approchをコミュニケーションの領域にいかに持っていくかが一つの課題であるので、その実験も同時的に行った。竹山美香(気多中学校英語教諭)、市川清美(岩松中学校英語教諭)、御宿良博(静岡高校定時制課程英語教諭)に協力をあおいで本教授法の模擬授業をしてもらって日英の共通の認知能力を駆使してどのようにコミュニケーションまで高めることができるかを考察した。その結果シラバスのなかに認知能力の使用をどう位置づけるかが重要なことが分かった。したがって次年度は、Communicative Cognitive ApproachのCommunicativeの部分をさらに具体的に精密化することができればさらに効果的な教授法になることが予想された。
|