1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680263
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
船城 道雄 静岡大学, 教育学部, 教授 (00022210)
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Keywords | Universal Grammar / Cognitive Approach / Task Based Learning / 認知教授法 / 意味役割 / 語順 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本語と英語の両方の言語の根底に共通して存在していると思われる言語間の普遍原理を見いだし、それを言語教育、特に日本人の英語教育に生かすことである。今まで、分かっていることは日英語の間には意味役割が普遍的に存在していることがフィルモア、グルーバー以来良く知られている事実であるが、表面的に日英語の間で相違点があると思われたのは語順である。しかし、パラメタの値、主要部、補部の概念を総合的に考慮すると、動詞句内の語順の「日英語では、動詞に意味的に関係の深いものから順に動詞の近くにくる」という普遍的語順原理が提案できる。日本語も英語も主語は文頭に生じるので、動詞句内の語順が普遍的な原理で説明できれば、日本語の原理に従って英語の文を生成するのが容易になる.今年は小学校4年生30人に果たして普遍的語順原理で英文がつくれるかどうかを解説と実験を2日間にわたって行った。パラメタの値の違いは、人間に生まれつき左利き人間と右利き人間があるように言語にも左利き言語と右利き言語があることを理解させて、英語文の生成を試みらせるとうまく行くことが分かった。もう一つの試みは今年の目的の一つでもあったのだが、コミュニケーションにつながる教授法を開発するために文法知識を余り意識しないで意味単位及び語順の普遍原理がどのようにコミュニケーションに寄与するかに焦点を合わせた研究を行った。それはtask based learningのアプローチを認知教授法に組み込んで実験授業を試みたがある程度うまく行った。その成果は"Communicative Cognitive Approach and Task Based Learning"の論文として発表した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 船城道雄: "21世紀このままでいいのか日本の英語教育-日本固有の英語教育からの脱却と教育方法"『中部地区英語教育学会紀要』第30号. 第30号. 267-272 (2000)
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[Publications] 船城道雄、足立智子: "Communicative Cognitive Approach and Task Based Learning"『静岡大学教育学部研究報告(教科教育篇)』. 第30号. 169-180 (2000)