1999 Fiscal Year Annual Research Report
大規模並列システムのための効率的なプロセッサ割当て方針に関する研究
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10680336
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 謙多郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80178970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 周吾 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90272442)
池口 満徳 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (60261955)
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Keywords | 大規模並列計算機 / 並列プログラミング環境 / 科学技術計算 / プロセッサ割当て / スケジューリング / 計算化学 / 分子動力学シミュレーション / 空間分割法 |
Research Abstract |
本研究は、大規模並列システムにおいて、利用者が指定するタスク間の依存関係をもとに、きめの細かい効率的な並列処理を実現するプロセッサ割当て方針(スケジューリング方針)を開発することを目的とする。本年度は、昨年度開発した、本研究の基盤となる並列プログラミング環境Parsleyの上で、プロセッサ割当て方針の改良に関する研究を行い、それに関連する機能拡張を行った。以下に、今年度の主な研究成果を挙げる。 1.プログラム実行時にスケジューリングの自動チューニングを行うための基礎として、タスクの実行時間を計測し、その結果をもとに動的にスケジューリング方針を修正する機構を開発した。現在、アプリケーションを1回実行して計測したタスクの実行時間、通信時間をもとにタスクグラフを自動的に修正・保存し、次回以降の実行の際に利用してスケジューリングを行う機能を実現している。その結果、タスクグラフの修正を行わない場合に比べて、プロセッサ数16台で約10%の性能向上を達成した。 2.静的スケジューリングの効果を十分なものにするため、通信コストと負荷分散の両方を加味した、分散メモリ型マルチプロセッサに適した新しいスケジューリング方針を開発し、Parsleyにこれを実装した。 現在のところ、基礎となる静的スケジューリング方針が、通信コストを十分に考慮していないため、大幅な性能向上、異機種のマシンに対する十分な適応性が得られていない。タスクグラフの依存関係をもとにタスクのクラスタリングを行う新しいスケジューリング方針を検討している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M. Zhu: "A Nonblocking Group Membership Protocol for Large-Scale Distributed Systems"IEICE Transactions on Information and Systems. (発表予定). (2000)
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[Publications] 関嶋政和: "サブタスク間の依存関係に基づくスケジューリング機構を構えた並列プログラミング環境の開発"情報処理学会論文誌プログラミング. (発売予定). (2000)
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[Publications] M. Sekijima: "Parsley : A scalable framework for dependence-driven task scheduling in distributed-memory multiprocessor systems"Proc. of 11th Int. Conf. Parallel and Distributed Computing and systems. 800-805 (1999)
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[Publications] S. Shigeta: "A flexible access control mechanism based on the key/lock scheme"Proc. Int. Tech. Conf. Circuits/Systems, Computers and Communications. 1385-1388 (1999)
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[Publications] 清水謙多郎: "エンサイクロペディア情報処理(第11章)"情報処理学会. 44 (2000)