1999 Fiscal Year Annual Research Report
ゲーム木の並列探索のための分散共有ハッシュ機構の実現と評価
Project/Area Number |
10680340
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
野下 浩平 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (60011706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳井 啓司 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (20301179)
中山 泰一 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (70251709)
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Keywords | ゲーム木 / 並列探索 / ハッシュ機構 |
Research Abstract |
ゲーム木探索における局面表(トランスポジション表)は、局面の探索結果を表に登録し、同一または類似の局面の探索を表の参照ですませる高速化技法である。本研究では、並列計算環境でゲーム木探索を並列的に行うために、計算機の間で局面表を共有する方式の設計、実現、評価、応用を行う。 前年度に継続して、ネットワークにより複数の計算機を結合した分散的非共有メモリ型計算環境において、ゲーム木の並列探索システムを実現改良した。分散した計算機の間で共有するハッシュ表によって共有局面表を実現した。本研究ではこの共有局面表の実現法を分散共有ハッシュ法とよぶ。共有局面表の構成法として、集中型共有ハッシュ表と分散型共有ハッシュ表の2種類を実現した。各種技法の評価のため、実験対象として並列選択問題をとりあげた。並列探索のための代表的なアルゴリズムを2種類実現して、実行時間や各種オーバーヘッドを測定して、共有局面表の効果を調べた。それぞれの計算機の中だけの局面表(局所ハッシュ表)を使う方法に対して、局所ハッシュ表に加えて共有局面表(共有ハッシュ表)を使う方法の速度向上比を実験的に調べた。実験結果の顕著な例として、8台の計算機により逐次計算の7倍以上の速度向上をえた。さらに、逐次計算では時間がかかりすぎて解けなかった問題が共有局面表による並列計算で解くことができた。 本研究では、通信速度が遅い分散的並列計算環境で、ここで示した分散共有ハッシュ法により、十分良い性能、つまり並列計算の性能向上の目標に近い台数効果が達成できることを実験的に示した。
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