1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680548
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 義則 九州大学, 農学部, 教授 (70081495)
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Keywords | 保水性セラミックタイル / 気化冷却 / 気化潜熱 / 熱汚染 |
Research Abstract |
保水性セラミックタイル(プレート)の気化冷却効果におよぼす含水量、風速の影響、到達太陽熱エネルギーうちの潜熱変換可能量の評価、人間(動物を含む)への冷熱源の放射効果について、微気象学的観点から研究を行った。 平面敷設の実験結果 保水性セラミックタイルの表面温度と含水量の関係では、含水量が多いほど表面温度を低減させる能力が高く、その効果は照射エネルギーが多い時ほど強まることが示された。これはタイルに保水された水の蒸発にともなう気化作用のためであり、蒸発量が多いほど表面温度を低下させること、しかし、低下の最大値は大気の湿球温度よりは高めであった。 保水性セラミックタイルからの蒸発量と風速の関係では、蒸発量は入射量を一定とした場合4m/sまでの間では、風速のほぼl/2乗に比例して増大する傾向を認めた。 日射エネルギーに対する潜熱への変換量は、敷設したタイル面積が狭い場合には、含水量が15%以上だとオアシス効果を受けるため100%以上に達する。しかし、面積が5mx5m以上にもなると80%以下になる。とはいえ、乾燥した通常の屋上面に比較すれば湿ったタイルの表面温度は著しい低温にとどまるため、都市域における熱汚染の低減に極めて有効である。 屋根面敷設の実験結果 人体への影響実験では、日陰にあるが頭部が天空に向かうのと湿面のタイル下に有る場合とでは、放射受熱に差がでてタイル下の方が涼感が現れた。
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[Publications] 鈴木義則: "水の相変化と気候緩和" 水文・水資源学会誌. 11(6). 563-564 (1998)
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[Publications] Y.Suzuki, Tur Muhamed: "Experimental study on the thermal relaxation effect of water-retaintive ceramic tiles" International Journal of Bio-meterology. 42(2)印刷中. (1999)