1999 Fiscal Year Annual Research Report
下水汚泥焼却灰の有効利用に関する研究-リン資源の再循環について
Project/Area Number |
10680552
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
早川 修 北海道工業大学, 教養部, 助教授 (30118145)
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Keywords | 下水汚泥 / 焼却灰 / リン資源 / 再循環 / 溶融 / 有効利用 |
Research Abstract |
下水汚泥焼却灰およびそのカルシウム塩混合物を高温電気炉で溶融した場合のリン酸塩結晶の結晶構造の解析とリンの溶解性を調査した。 その結果、熱処理汚泥焼却灰のように凝集剤を添加していない汚泥由来の焼却灰溶融物では、カルシウム塩添加によりカルシウムとの結晶化が進んだ。リンの溶解性も全リン酸含量に対する2%クエン酸可溶のリン酸含量の比率(ク溶率)5%前後から80%前後に増加した。 しかし、石灰・塩鉄を凝集剤として添加している汚泥由来の焼却灰溶融物では、元来のカルシウム含有率が25%と高かったため、結晶性の度合いにカルシウム塩添加が影響を及ぼしていないように見受けられた。また、ク溶率はカルシウム塩添加により85%前後からむしろ減少する傾向にあった。 溶融により生成したリン酸塩結晶は、X線回折の結果、ゲーレナイトもしくはオージャナイトと考えられたが、特定するには至らなかった。 溶融物の重金属含有率は鉛や亜鉛で低下した。これら重金属の沸点が比較的低いため、揮散したものと考えられた。 汚泥焼却灰の溶融物を調製する際、容器である坩堝に溶融物が焼結してしうため、分析試料として溶融物の粉砕物を調製することが困難であった。より効率のよい粉砕方法を開発する必要がある。
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