1998 Fiscal Year Annual Research Report
対掌体に対する酵素活性及び活性部位の比較に基づくホモキラリティーの起源の検討
Project/Area Number |
10680560
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
島田 秋彦 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (90235614)
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Keywords | トリプトファナーゼ / D-トリプトファン / リン酸水素2アンモニウム / ホモキラリティーの起源 / アイソメリズム |
Research Abstract |
トリプトファナーゼにおけるD-トリプトファンに対する活性部泣とL-トリプトファンに対する活性部位との位置関係を決定するため,L-トリプトファン分解時の阻害剤の作用がリン酸水素2アンモニウム濃度とともにどのように変化するか調べた。阻害剤として用いた試薬はピルビン酸カリウム,インドールピルビン酸およびD-ヒスチジンであった。また,トリプトファナーゼを線照射してD-トリプトファンに対する活性を失活させ,L-トリプトファンに対する活性のみを保持している標品を得た。この -トリプトファナーゼによる反応は先の阻害剤を用いた反応と比較された。反応は高濃度のリン酸水素2アンモニウム中で行うので,基質であるトリプトファンがラセミ化する可能性ある。そこで反応中のトリプトファンをクラウンパックで分割しCD検出器でチェックした。この結果,トリプトファンのラセミ化の可能性は無いということが分かった。阻害剤を用いた結果と -トリプトファナーゼの結果を比較検討し以下の結果を得た。トリプトファナーゼはリン酸水素2アンモニウム濃度とともに構造変化を起こす。この変化とともにトリプトファナーゼ内部に埋め込まれていたD-トリプトファンのヘテロサイクリック部との結合部分が表面に露出してくる。そして,リン酸水素2アンモニウム濃度が3.1MのときトリプトファナーゼとD-トリプトファンとの結合力は最大となりこれに対応してD-トリプトファン分解の活性も最大となる。しかも,D-トリプトファンの結合部位はL-トリプトファンの結合部位と位置的に異なるということもわかった。しかしながら,本実験の結果から触媒部位の位置関係を把握することができなかった。おそらく,D-トリプトファンの触媒部位もL-トリプトファンのそれも共通していると、思われるので,来年度はこの位置関係を明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 島田秋彦: "Evolutionary significance of active site for D-tryptophan on tryptophanase" Viva Origino. 26. 219-228 (1998)
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[Publications] 島田秋彦: "Concanavalin A-agarosegel system papcible of acarmulating lxtracellular glucoamylase" J.Ferment.Bioeng.85. 542-545 (1998)
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[Publications] 島田秋彦: "Transitional inhibition type of trgptopnanase from competitve to noncompetitive inhibition with increasing diammonium hydrogem phosphate" Amino Acids. (印刷中).
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[Publications] 島田秋彦: "Mirlyl-α-o-maunopyranoside-responsible release control system of microencapsulated glucoamylase" J.Ferment.Bioeng. (印刷中).
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[Publications] 島田秋彦: "Tryptophanase-catalyzed D-tryptophan degradation reaction and its signiticance for chiral homogeniery(印刷中)" 京都大学出版会,