1998 Fiscal Year Annual Research Report
イソプロピルリンゴ酸脱水素酵素の基質認識機構の解析
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10680612
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 英彦 岡山大学, 農学部, 教授 (90065912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 隆 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (40253009)
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Keywords | イソクエン酸・脱水素酵素 / 3-イソプロピルリン丁酸脱水素酵素 / 基質認識部位 / 変異導入プライマー / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
改変に用いるイソクエン酸脱水素酵素遺伝子(ICDH)にはE.coli K-12株由来と同一であるE.coli W3110株由来のICDHを用いた. 基質認識部位を交換するにあたり,先ず基質複合体のX線結晶構癒解析の結果より示唆された3-インプロピルリンゴ酸脱水素酵素(lPMDH)の基質認識部位Ala72〜Leu92,ICDHの基質認識識部位Pro102〜Val1116の直前直後に制限酵素(ScaI、BqlII)サイトを導入するために,T.ferrooxdans由来3-IPFMDHを挿入したプラスミドpKKleuBl(kawaguti11995),E.coliW3110由来ICDHを挿入したブラスミドpElC15を鋳型として,増幅用プライマー,変異導入用プライマーを用いたPCRにより各遺伝子に変異を導入した.ここで得た制限酵素部位を導入した酵素遺伝子をLeuB SB mutant,ICDH SB mutantとした. 次に先に作成したLeuB SB mutantを大腸菌内で発現させるために,ベクターpKK223-3MCSのEccR1,Pst1サイトにライゲーションを行い,JM109を形質転換した.形質転換体から抽出したプラスミドをpKKleuB1 SB mutantとした.また交換のためのICDHの基質認識部位を得るために,ICDH SB mutantを鋳型として変異導入用プライマーを用いたPCRにより増幅させ,目的断片を獲得した。 次にpKKleuB1 SB mutantを制限酵素ScaI,BalIIで処理することによりleuB遺伝子から基質認識部位を除去し,先に作成したICDHの基質認識部位と,ライゲーションを行い,同様にJM109を形質転換した.この形質転換体から得たプラスミドをpKKleuB1SIE mutantとした。確認のシーケンスはまだ行っていない. 以上で作成したJM109-pKKleuB1 SIE mutantの3-IPMDH活性がどのように変化したか調べるためにJM109,JM109一pKKleuB1との比較を行った.それぞれの比活性はJM109,JM109-pKKleuBl,JM109-pKKleuB1 SIE mutantの順に0.724,1.380,0.551Unit/mlであった.またJM109-pKKleuB1 SIE mutantのICDHがどのように変化したか調べるためにJM109,JM109-pKKleuB1との比較を行ったところそれぞれの比活性はJM109,JM109-pKKleuB1,JM109-pKKleuB1 SIE mutantの順に0.482,0.260,0.673Unit/mlであった。 以上のことから基質認識部位を交換したことにより,pKKleuB1 SIE mutantから作られる変異酵素の基質特異性は3-IPMからICへと大きく変化したことが示唆された。 今後,シーケンスによる変異導入の確認,変異酵素の精製及び結晶化,X線結晶構造解析を行っていく予定である.
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