1999 Fiscal Year Annual Research Report
イソプロピルリンゴ酸脱水素酵素の基質認識機構の解析
Project/Area Number |
10680612
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 英彦 岡山大学, 農学部, 教授 (90065912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 隆 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (40253009)
稲垣 賢二 岡山大学, 農学部, 助教授 (80184711)
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Keywords | イソクエン酸脱水素酵素 / イソプロピルリンゴ酸脱水素酵素 / 基質認識部位 / 変異導入プライマー / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
昨年、本研究室で作成したプラスミドpKKleuB1 SIE mutantを含む大腸菌に変異活性があり、基質特異性が3-IPMからICへ変化したと報告したがあのデータには再現性が無かったためもう一度変異酵素遺伝子を作ることにした。その方法にはleuBと4つのプライマー(増幅用;P1,P4変異導入用;P2,P3)を必要とし、まずP1,P2を用いてイソクエン離脱水素酵素(ICDH)の基質認識部位とその上流断片を作成した。このような断片を作成できたのは、P2の3'側がICDHの基質認識部位(Pro102〜Val116)をコードしているためである。同様に、P3,P4を用いてICDHの基質認識部位とその下流断片を作成し、その2つのPCR産物を基質認識部位でアニーリングさせ伸長・増幅を行い、変異酵素遺伝子(leuB mut)を作成した。leuB mutは確認のシーケンスにより間違いなく作成されていた。 次に、leuB mutをベクターpKK223-3のMCSのEcoR I,Pst Iサイトにライゲーションを行い、E.coli JM109株,HB101株,JA221株,EB106株を形質転換した。この形質転換体から得たプラスミドをpKKleuB1 mutとした。 形質転換体HB101-pKKleuB1 mut及びJA221-pKKleuB1 mutは共に宿主がleuB^-であるため、leucine^-の培地でコロニーが得られるかどうか試してみた。同様に形質転換体EB106-pKKleuB1 mutは宿主がicd^-であるから、glutamic acid-の培地でコロニーが得られるか試してみた。結果は両者とも1つもコロニーが得ることができなかったので活性が無いのではと示唆された。 さらに、作成した形質転換体の3-IPMDH活性,ICDH活性を調べた所、共に予想通り活性は全く見ることができなかった。そこでSDS-PAGEを行い、pKKleuB1mutを含む大腸菌タンパク質の発現確認を行ったところ変異酵素タンパク質が発現していないことが判明した。 今後、大腸菌組み換えタンパク質発現システムであるpET systemを用いて発現を目指していく予定である。
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